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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
番外之刻
東方春眠暁
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くてもやるわよ」
そう、私の仕事は異変解決及びそれに伴う障害の排除。
うん、力押しで解決できるってのは後腐れないけど疲れるのよね。
「まぁ、私達の方でも調べてみるけど。取り敢えず気になったところへ行ってみれば虱潰しだろうといずれ辿り着くんじゃない?」
何という無責任発言。調べるけれどどうせ解決に直接関わるなんてことはしないでしょうね。
まぁ無責任かつ自由奔放な奴が多いのが幻想郷らしいとも言えるのだが。
「後、もしかするとまだ力のある奴が動ける可能性もあるから犯人じゃないなら手伝って貰いなさい」
「そうね、あんた達じゃ頼りないし」
捨て台詞を吐き、逃げるように私は飛び立つ。
下ではなにか言ってる気もするが気にしない。
相変わらず景色は桜色だが、夕闇の朱色と合わさった情景は変わらず幻想を残している。
幻想という言葉にハッとする。
桜の異常なほどの数………今思えば桜の木でもない筈の木すら桜を咲かせているなんてのはおかしい。
花が咲き乱れた異変もあったが、あれはあくまでも多種の花が無尽蔵に、かつ季節を無視したものだったから気付いたが、今回は季節は春。なにもおかしいところは無い、数を除いては。
桜といえば―――幽々子しかいない。
けどあの宴会には妖夢も参加していた。幽々子はいなかったが、妖夢の方は普段纏わり付いてる魂もいなかった。
こういった異変を起こすなら、従者である妖夢の存在は不可欠。だからこそ憶測は混乱へと変貌する。
取り敢えず白玉楼へ向かってみるのがいいかもしれない。というか当てがそれくらいしか無いような気もする。あとは幽香が………程度にしか。
白玉楼へと進路を一直線に向かう。
遠目から分かるくらいに、そこもまた桜で満開になっているのが分かる。というか、花見ならあそこが一番お誂え向きな気がするのだが。
中庭にまで到着すると私は着陸して砂利の感触を楽しむ。この痛みが意外と癖になる。
そうやって歩いている内に、私が一番怪しいと目を光らせた場所―――西行妖が根を張っている裏庭への曲がり角にまでやってきた。
西行妖―――以前幻想郷中の春を奪い、その桜へと還元することで枯れ果てたその桜に再び桜を咲かせようと模索し、実行した異変があった。
それは満開になる前に解決はしたが、それが仮に満開になっていたとして………どうなっていたのかは定かではない。
見てみたいという誘惑は確かにある。だがあれを一度見たときに………何というか、儚さや無骨さなんかよりも、怖さの方が倍上を行った。
どんな妖怪であろうと決して怯まず退治してきた私だけれど、あれはそう、虚無と対峙してるかのような気分になった。
妖怪だろうとなんだろうと所詮は生き物、絶
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