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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
番外之刻
東方春眠暁
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があいつらは普通に明け方まで飲み明かすような暇人と疲れ知らずばかりだ。十分有り得るだろう。
「―――今からでも行ってあげようかしら」
断ったあの時、罪悪感がなかった訳ではない。
身体の調子は回復したし、お腹の空く時間でもあるから行ってみましょう。
―――ただ単に、後ろ髪を引かれているってだけなのかもしれないけど。
足袋を履き直し脱ぎ捨てた草履も履くと、私はそのまま空へと飛翔する。
空から眺めた地上はその殆どが桜色に染め上げられており、なんだか目が疲れてしまう。
そんな桜色に混じって佇んでいる真紅の館、紅魔館へと一直線に向かう。
向かう最中、当に終了してるかもしれないという焦燥感と、今頃現れたことによる魔理沙達の驚愕ぷりを想像する。
まぁ罪悪感を持つことはないのだけれど。何せうちの神社で騒ぐだけ騒いで片付けは全部私という理不尽を体験してるのだから、異論を認める気なんてないわ。
「………と、」
紅魔館も目と鼻の先にまで迫ってきた頃、ふと違和感を覚える。
静かだ。静かすぎる。
花見がどうのとかの問題ではなく、聞こえないのだ。鳥の囀りも、獣の啼く声も、人々の喧騒も。
まるで何もかもが死に絶えた世界に独り存在しているようなおぞましい感覚。絶世の孤独感。
そして目にする。
「なに、これ――――――」
確かに居た。魔理沙も妖怪も紅魔館の連中も。
言えばきりが無い数―――私が今まで出会ってきた奴等の殆どがそこにはいた。
でも、その姿は余ることなく………まるで死人のように動かない魔理沙達の姿がそこにはあった。
「ちょっと、どうしたのよ!」
慌てて急降下して、そんな彼女達の肩を揺さぶる。しかし誰もがこの声に反応することはなく、強制された首の上下運動だけが虚しく繰り返されていた。
誰もが死んでいる訳ではないのはすぐに分かった。胸は規則的に上下していたのは一目瞭然で、一部悔しい思いをしながら全員の確認をした。
「どういうことなの………」
全員で集団睡眠で揺さぶられて起きないのは流石におかしい。紫ならまだしも。
また異変が起こったのか、そう思った瞬間後ろから誰かが来る気配がした。
「誰!?」
振り向くとそこには、永遠亭の薬師である八意永琳と月の姫だとかいう蓬莱山輝夜がいた。
「あら霊夢。まさか貴女も無事だとは思っていなかったわ」
「ちょっと、これはどういうことよ。まさか今回もあんた達の仕業ではないでしょうね」
こいつらは一度異変を起こした張本人なのだから、警戒するのは当然だ。
「残念ながら今回は私達ではないわ。私達だっていつの間にか寝ていて、起きてみればこの有様だったんだもの。だいた
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