二十三話
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1時間ほどだろうか唐突にボスが目の前から消えた。俺はようやく意識が覚醒していく。
「終わったのか…?」
歓声は上がらなかった…全員が意気消沈しており倒れるように床に座り込んでいた
俺もボスの攻撃を何度か掠っていたらしくすでにHPはレッドゾーンだった
「…何人やられた?」
クラインがかすれた声で質問する。
「…十四人死んだ」
「うそだろ…」
キリトがマップで確認した事実を述べる。その言葉に答えたエギルだけでなく周りのプレイヤーからは絶望の色しか見えない。
まだ七十五層…この上にまだ二十五層もあると考えると今後どれほどの犠牲がでるのか計り知れない、暗鬱とした空気が立ち込める
俺はちらりと一人の人物を見る
(あんたはそれでも尚そんな顔をするんだな…)
ヒースクリフ…ついぞボスの攻撃の半分を一人で受け切ったのにも関わらずただ毅然とし自らのギルドのメンバーたちを慈しむかのように眺める
ボス攻略時何度か見たことがある表情を俺は見たことある。
何も考えていないときはその表情に疑問も何も浮かばなかった、しかし今はその表情に恐怖の感情しか思い浮かばない。
ヒースクリフのことは信用してるし信頼している、しかし疑念が払いきれない。そう思っているとひとつの黒い影がヒースクリフのもとに突撃した
(キリト!?)
キリトはそのままヒースクリフに対しソードスキル・レイジスパイクを放つ。ヒースクリフも咄嗟の反応で盾を構えるがそれを読んでいたキリトが軌道を変え剣をやつの胸に突き立てる。するとキリトとヒースクリフの中間に紫色のシステムカラー”Immortal Object”が表示された。
「……」
それを見た俺はあぁやっぱりそうなのか、と諦観してしまった
(あんたはやっぱり…)
「…茅場晶彦」
俺の言葉はその姿を見破ったキリトが口にした。
「参考までに気づいた理由を教えてもらえるかな」
否定はしなかった。つまりはそういうことなのだろう
キリトは俺と同じく七十五層での決闘によるシステムオーバーアシストに気づき疑問を感じたという
ヒースクリフ…茅場は苦笑し
「あれは誤算だった。予定では九十五層まえ正体を明かすつもりはなかったのだがな」
そういい他のプレイヤーを見まわし
「確かに私が茅場晶彦だ。付け加えればこのゲームの最終ボスでもある」
と自分の正体を明かす。その場が凍りつく。最強のプレイヤーがラスボスとなるのだ。誰一人として言葉を発しようとはしない
その時、血盟騎士団幹部の一人の男が立ち上がり
「俺たちの忠誠―希望を…よくも、よくも!」
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