入学編
第2話 魔法師?
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んだよ。本当に死ぬかと思ったぞ。そう考えていたら、エリカから
「翔くーん。師匠っていっていたけれど、それって、もしかして古流の武術の系統なのかな?」
「よくわかってね。合気術だよ」
「合気術って、古流でなくて新しいんじゃないの?」
「そうなんだけど、合気術っていろいろな武術を取り入れているから、僕が通っている道場の流派では古流の系統も色濃くのこっているんだね」
「へー、どうりで、すり足気味なのね」
「見ただけでよくわかるね。一応円明流合気術っていうんだけど、特に隠す必要もないからね。千葉さん」
「なんのことかしら」
眼が泳いでいるな。昨日、吉田家の話でもにごしていたから、もしかしたら剣術で有名な千葉家かとも思ったんだけど、隠したいんだろうな。
そうすると、今度は美月から、
「受験日に風邪だったということは、風邪じゃなかったら1科……」
「ストップ。一発勝負に、『たられば』は無いよ」
そんなところで昼食は終えることになった。
僕が通っているのは円明流合気術という道場だが、古式魔法も扱っている。とはいっても、合気術固有といったらいいのか、現代魔法もとりこんだりしているのだが、『伝統にとらわれない古式魔法師』と、古式魔法の『伝統派』に似ているので、勘違いされることもあるが、実際には異なる。
魔法師としての表向きの仕事は除霊を行なうことだ。裏としては、除霊する場所の2割ぐらいの確率で、過去に封印された妖魔……現代ではパラサイトといわれている……が封じられている。その封印が弱ってきていると地縛霊として集まることが多いので、今ではわからなくなっている封印された場所は、それを目印に再封印をすることが、裏の魔法師としての仕事だ。しかし、魂さえも視えなくなる、失伝した封印が残っていたとは、あんまりだ。
午後の最初の授業は教育用の据え置き型CADを使った実習だ。CADは両手を置くタイプで、各種の教育実習や、入学試験もこのタイプだったが、この部屋にあるのは4台だ。1教室25人なんだから、5台にすれば、ちょうどキリが良いのにと思った。
これは、学校側が用意できる予算を考えていない、高校生だったからであろう。
それでも、授業には教師がつかないので、適当に列ができあがり、その中でここのところ一緒にいる皆と一緒にいたのは、必然だったのかもしれない。
僕がレオの後ろにならんでいると、達也の背中をつついているのが見えた。
「達也。生徒会室の居心地はどうだった?」
「奇妙な話になった……」
エリカが口をはさんできて
「奇妙、って?」
「風紀委員になれ、だと。いきなり何なんだろうな」
話をきいてみると、風紀委員というのは、魔法が使われた時にそれを止め
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