気持ちと関係
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ってこっちを向くと、
「せんぱーい、かわいい彼女なんですから泣かせちゃダメですよー」
爆弾を落として、二度と振り返らずに帰っていった。
俺とシリカの間に、気まずい雰囲気が流れる。よくも・・・レナめ、今度会ったら許さんぞ・・。
「なんか、すごい人でしたね。レナさん」
シリカが強引に話題を変えてくる。俺は彼女に感謝しながら、シリカに聞かせる。
「まあ、藍椿はあんな感じのやつらの集まりだったしな。ま、俺もそうだったから人のことは言えんが」
「今度、聞かせてください。藍椿の時のことも」
「ああ、別に構わないぞ」
しかし会話は長く続かず、また元の雰囲気が流れる。はぁ、と俺は心の中で溜息をついているとシリカが今度はさっきとは口調を変えて聞いてきた。
「さっきのことなんですけど・・・・」
「別に気にしなくていいぞ、さっきのはレナが勝手に」
とここまで言ったところで、シリカに袖を引っ張られる。
「あの・・・わたしじゃ・・・・いやですか・・・?」
最後の方は、小さくなってほとんど聞こえなかった。だが、彼女が何を言おうとしているのかは分かった。
「あの時助けてもらってから、ずっと、ずっと・・・私はレイトさんのことが好きでした!」
きちんと言葉にされて、自覚する。俺はどこか妹のような気持ちでシリカとは接してきた。だから、今まで気づかなかったのだろう。だが、彼女は俺のことをそういう対象で見ていたのだと。
俺が彼女をそういう対象として見られるかというと、意外にも簡単に通った。
一度それを認めてしまうと、全てがすんなりとはまっていく。
だから、俺は俺の今現在の偽りのない気持ちを直接言う。
「俺もシリカのことが好きだ」
告白。一気に心が落ち着かなくなる。
俺はじっと次のシリカの言葉を待った。それは1秒が数十分になるように感じた。
「私も・・・レイトさんのことが好きです」
シリカはこちらの目を見て、恥ずかしそうに答えた。
さっきとは違う沈黙が流れる。次に沈黙を破ったのは、俺だった。
「えーと、じゃあ・・・・・これからもよろしく」
今の場にはそぐわない言葉なのだろうが、これが俺の精一杯だ。
「はいっ」
ある日突然狂ってしまったゲームの中で、少年と少女が結ばれた瞬間だった。
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