第26話 侵攻計画
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
親父から見せられた『国軍編成諸侯導入案』という名の書類から読み取るのに、10月中には諸侯軍は戦争準備の開始を始め、年内に終戦させて、遅くとも翌年の1月には引き上げる、という風に読み取れる内容だ。
「親父。これを宮廷が本気で考えているのなら、タルブ戦での太陽のような光を放ったというのが、兵器として完成したんだろうねぇ」
「そうだと思いたいのだが、極秘で進んでいるのか、どうやってもそこにたどりつけなくてな」
「諸侯の編成以外の全体像ってわかる?」
「財務省の試算では、トリステイン・ゲルマニア連合で6万前後で、アルビオンは5万前後になりそうだとのことだ」
「普通に考えたら、机上の空論って、言いたいところだけど、そうなるとやはり、タルブのあれは、兵器だったんだろうなぁ」
攻める方は2倍から3倍であたるというのが、この世界での常識だ。個人的には、5倍から6倍といいたいところだが、兵力を運用するのに、連絡網が機能しないと、単なる烏合の衆となってしまうから、3倍が限度なんだろう。
「それで、要請がきたとして、アミアン家としては受けるの?」
「受けざるをえない」
「そうすると兵力は、この編成案からみるとアミアン家では200名を、どうひねり出すかだねぇ」
「人数だけなら、なんとかなるが……」
「そうだね。宮廷からも武装費がでるんだから、この際、最新式のマスケット銃を購入させてもらったらどう?」
「マスケット銃だと!?」
「ああ。騎士見習いとしてだけど、なんだかんだと行って、平民の武器でやりづらい相手はマスケット銃の集団。弓矢もたしかにやりづらいところもあるけれど、短期間で育つものじゃないから、狩猟をおこなっている者にやってもらうしかないだろうねぇ。他の貴族より早めにマスケット銃を入手した方が、安く買っておけるかもしれないよ」
「考慮しておこう。それで、200名集めたとして、お前ならそれを、どのように戦列を組むか聞いておきたい」
「俺ならかい? 一番前に、盾専門。次の3列がマスケット銃、次の1列にマスケット銃の弾込めだね。さらにその後ろに長槍で、次に弓専門、次にメイジに、最後に治療とか指令本部ってところかな」
「マスケット銃を3列に、弾込めを分けるというのと、長槍に、指令本部。どうしてそのような戦列を組むのだ?」
「マスケット銃を3列にするのは、その部分からの見かけ上の連射速度をあげるため。弾込めをわけるのは、短期間で慣れさすのがひとつだけど、まずはそこかな。マスケット銃は撃ち尽くしたら、弓、メイジという順番で入替えていくってところ。長槍なのは、どうせ素人が、短期間でやっても練熟度はかわらないのだから、少しでも長くして適当にふりまわすと、その中に入れさせないってのを狙っている。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ