暁 〜小説投稿サイト〜
魔法薬を好きなように
第26話 侵攻計画
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んてなくなるってのだけど……アルビオンにとって、一時的ながら、その地の平民を敵にまわすことになるから、それをどう挽回するかが、ポイントになってくるから、そこが確立されないと、この作戦をとる可能性は低いかな。だけど、どこか宮廷の知り合いにでも、可能性だけはということで、言っておいた方が良いと思うよ」

この作戦が実行できるのは、その地の平民を、最悪、敵にまわしたままでも良いときだけ行なえる作戦だ。なんせ、情報が少ないから、どのようなデマが広まるかは、予想がつかないし、相手が勝って、食料を奪った街を領地とした場合、統治する平民を、潜在的な敵にしてしまうというところが難点だ。
だが、アルビオンを捨てるということを考えてみると、レコン・キスタは聖地奪還が目的のひとつだ。アルビオンではなくて、トリステインかゲルマニアに侵攻して、そこへ遷都してしまえば、平民の乱は、そこまで脅威ではなくなる。
どちらにしても、仮定の上に仮定をかさねた話だ。忘れてよいだろう。

「ところで、タルブ戦での太陽のような光って、あれによる直接的な人的損害は無かったの?」

「ああ。報告書にあった通り、船に火がついたのと、風石が消失していたというのが、あの時の現象だったようだ」

「そのことはアルビオンも知っていると思う?」

「リッシュモンのような大物も絡んでいたとなると、その情報は漏れていると思った方がよいだろう。何か気にかかるのか?」

「親父、とぼけるのもよせよ。わかっているんだろう?」

「なにがかな?」

「アルビオンが、わざと上陸させて、そこで空船で攻撃をしかけてくれば、落下するのはアルビオンの上。つまりそのまま、地上におりた空船のりは、逃げ出す算段をとっていれば、それほど、アルビオン軍全体の人数は減らないってことだよ」

人数イコール戦力とはかぎらないが、やはり数は暴力だ。

「たしかに、そうだが、軍の士気が下がるだろう」

「上陸前に叩かれるよりは、俺ならそっちを選ぶけど、レコン・キスタはどっちの考えをとるかな?」

「それは、さすがにわからん」

だよなと思いなおして、その話はそこまでとなった。



夏休みの最終日の午前中はティファンヌとデートをして、次に会う日の約束をしてから、トリステイン魔法学院に向かった。モンモランシーとは2週間に1度はあっていたが、簡単に『アンドバリ』の指輪はいまだ発見できないことと、地図に対して最新の水の流れを書いたものを見せた。

「意外に地下水脈が多いのね」

「トリスタニアには合計5本の水脈があるといわれていたのに、2本多くみつかったしなぁ」

使ったのは水の精霊からイメージとして伝えられた、ルーンの使い方だが、直接『アンドバリ』の指輪を見つけるためだけではなく、水の分
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ