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聖夜に捧ぐ『フローエ・ヴァイ・ナハテン』〜クロスクエスト〜
第五幕
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行く。本来ならば一方向への攻撃となるはずのそれは、圧倒的な破壊力へと拡張され、他の怪人すらも吹き飛ばす。

 すでに未来は、見えたも同然だった。



 ***



「来いッ!!【Emperor】!!」

 《覚醒の短剣》を突き立てる。

 同時に炎が勢いを増し、ゼツの瞳も真紅に染まる。背中に広げた炎翼で、天空を駆けていく。

「MerryChristmas!!」
「応ともさ! そっくりそのまま返してやるぜ、サンタ野郎! 地獄で会おうぜ(メリー・クリスマス)!!」

 《天宮》を名乗る少年の再登場。彼はゼツがこの世界に来た時には所持していなかった《覚醒の短剣》を手渡し、そしてにやりと笑って続けた。

『この《覚醒の短剣》には、僕からのプレゼントが仕込んである。有意義に役立ててくれたまえ』

 それは、ゼツにとっては非常に有用なものだった。

 飛行時間の、無制限化。

 かつては一分足らずで終了していた炎翼による飛翔時間は、《天宮》の強化で無制限と化していた。大空を翔る。劫火をまき散らして、似非サンタを追い詰めていく。

「せぁっ!!」

 《爆炎剣》専用ソードスキル、《メテオレンズ》。凄まじいノックバックを発生させる一撃が、サンタを大地に墜落させる。

「しばらく閉じ込められてな!!」

 次の手は、同じく《爆炎剣》専用ソードスキル、《ガイアブレイズ》。大地に突き立った剣を中心に十二本の火柱が吹き出し、サンタを炎の監獄へと閉じ込める。

「次々ぃ!」

 取り残されたそりをめがけて、火の玉をはなつ。《デビルソウル》。さらに短剣を放ち、爆発させる、《ヒートロケット》。

 翼をはためかせて満身創痍のソリと有翼トナカイへと近づき、手加減のつもりで《片手剣》最上位スキル、《ノヴァ・アセンション》十連撃。だが、至極あっさりとその攻撃がクリティカルヒットし、ソリと二体のトナカイ怪人は爆発、漆黒の液体となって爆散した。

「脆ッ……っと、サンタはどうなってるかな」

 見下ろせば、丁度十二本目の火柱が、似非サンタを焼いたところだった。

 ――――ナイスタイミング。

 ゼツは笑みを浮かべながら内心で呟くと、その剣を振りかぶる。

「リナのマフラーのために散る花となれ!」

 《爆炎剣》最上位ソードスキル、《インフェルノルイン》。最大HPの五パーセントを犠牲にして発動する業炎の一撃が、似非サンタを貫いた。


 ***


 墜ちたサンタに、トナカイたちが融合した時は正直ビビった。

 だが、今はもう、それすらも気にならない。

「いやー……便利すぎるだろ。何か裏でもあるんじゃないのか?」

 二度目の登場をした《天宮》…アスリウと名乗
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