第一話
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いが一応曹徳は武芸を叩き込まれているので少々の相手なら勝てる要素はあった。ただ曹操にはいつも試合で負けていたが……。
「ま……悩んでも仕方ないし、厠にでも行くか……ってどわぁッ!?」
曹操は足が縺れて転けた。そして書簡が積まれていた棚から書簡が落ちてきた。
「いつつ……げ、書簡を直さなあかんな、ほっといたらまぁた怒られるな……ん?」
その時、足下に一つの書簡が紐を解かれた状態にあった。しかし曹徳はある文を見て驚いた。
「……日本語……だと?」
何故かその書簡は日本語で文が書かれていた。
「こんな物あったか?」
曹徳は驚きつつも頁を開いて文を読んだ。
「袈裟斬りの斬り方……ってこれは剣術?」
その書簡には剣術の仕方が書かれていた。
「……まさか過去に日本人がこの世界におったのか?」
それが事実ならこの書簡が日本語で書かれているのも頷ける。
(取りあえずは読んでみるか。何か分かるかもな)
結果的に言えばこの書簡は過去にこの中国に来た日本人が残した物だった。しかも幕末……戊辰戦争を経験した人物であり、最期は函館で戦死したらしいが気付けばこの恋姫の世界にいたらしい。その後は曹崇の使用人となっていたと記述してあった。
「……てかこの人、二年前に病で亡くなった黄さんだよな。まさか黄さんが日本人だったとはな……」
書簡には書簡室の奥に武器を隠している事も記述されていたので曹徳は夜中に書簡室に忍び込んで武器を探して発見した。
見慣れない木箱が二つあり、中身を確認すると日本刀が二刀とこな時代ではオーパーツである火縄銃だった。
「……そういや幕末を経験していたと書いてたな。なら有り得なくもないか……」
刀や火縄銃は保存状態が良かった。この他にもある書簡にはある武器や何故か日本酒……濁酒の製造法も書いてあった。
刀と火縄銃は貰う事にした。それも路銀もかなり貯めている。
「ま、それより今は勉強だな………」
それから、勉強と剣術の練習(使用人の一人から剣術指導をしてもらっていた)は遅い時間までやった。
そして十日後、曹徳はとうとうこの家を出る事にした。
(正直、曹嵩のイジメには耐えられなかったな。よく十二年も耐えれてたわ。あ、歳は十九ね)
皆が寝静まった夜中、曹徳はこっそりと塀を乗り越えて着地した。
「さて、追っ手が来る前にちゃっちゃと逃げるか」
一応曹徳は旅の商人の恰好はしている。(それ用の服は町で商人から事前に購入していた。)
「……俺を育ててくれてありがとう。じゃあな、俺をイジメた人達よ」
曹徳は生家に御礼を言い、曹嵩達への言葉を言って夜の闇の
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