弌:モーントリヒト
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雲1つない夜空、浮かぶ満月は視界に鮮明に写りこむ。空を仰ぐ少年――――名は《ルーナ》。彼はデスゲームと化したこの世界で小規模ながらにギルドを立ち上げ、そこでリーダーを務めている。
初めは責任と重みで押し潰されそうになった事もあるが、それを支えてくれる者達もいた。言うまでもなく、ルーナがリーダーを務めるギルド《モーントリヒト》に属する者達だ。
第一に、サブリーダーである少女《マリ》。彼女の存在が一番大きいだろう。ルーナが独り落ち込んでいる時、不安に押し潰されてギルドから身を消した時でさえも誰よりもルーナの近くにいた。そんな彼女の存在に、ルーナは幾度となく救われてきた。
第二に、歳上かつサブリーダー補佐の青年《タツキ》。彼は自分自身を問題児だと卑下しているが、彼なりの優しさや明るさでルーナを救ってきた。勿論、それはルーナだけに限らない。相談に乗ることも度々あった。
そして、残りの3人。名はそれぞれ、《ユナ》、《クロ》、そして《シュラーフ》。十人十色と言ったところか、それぞれが良い取り柄を持っている。
ユナは、他人曰く《女神》。ギルド内でも気を効かす事も多く、お茶を淹れてくれたりする事も茶飯事だ。背伸びしがちだが、その努力は全員の隣に立つためと言う理由で、かなりの頑張り屋。
クロはかなり卑屈な少年だ。ただ、非常時や緊急時での判断力が極めて高く、冷静に対応する事も出来る所が長所。そんな事はないと言うが、それこそ「そんな事はない」だろう。
最後に、シュラーフはかなりの天然(?)だ。退屈な話ならものの2秒で夢の中に入る。暇があれば寝ている事が多く、皆は苦笑いするばかりだ。
《モーントリヒト》とはそんなギルドなのだ。ルーナはそこを嫌っている訳ではない、むしろ大好きだと淹れてくれたり言っても過言ではないだろう。唯一無二の、暖かい《ホーム》。彼にとっての安らぎの場。
そんなギルドの目的はアインクラッドの《攻略》ではなく、アインクラッドを《探検》する事だ。未知の場所に足を踏み入れ、まだ見ぬ世界を見る。レベルで言えば攻略組を凌駕している。
しかし、《モーントリヒト》は危険を冒してまで攻略に励む必要はないと断固言い張っている。帰還が長くなるとしても《今生きている世界を楽しむ》事がギルド方針で、《探検》はあくまでも具体的な例の1つだ。
やんちゃもするし、真面目な時は大真面目。それが《モーントリヒト》だ。
「さぁ皆、今日は何処行くよ?」
問いかける少年はルーナ。重い重い責任を小さな背中に背負った《モーントリヒト》のリーダー。これは、彼等《モーントリヒト》の視点から描くもう1つの物語――――
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