第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
リー
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に飛び回り、我愛羅の体を取り巻く。我愛羅が背筋をしゃんと伸ばし、印を組もうと手を持ち上げる。リーも次なる攻撃を防ぐべく、両腕を交差させて目の前に構える。けれどそれも空しく、砂の塊はリーに直撃、リーが痛みに叫びをあげた。
――リー
ガイとネジの視線が交差する。ガイの脳裏には、夜遅くまで馬鹿みたいに練習を続けるリーが、ネジの脳裏には、馬鹿みたいに自分に勝負を挑み続けるリーが浮かび上がる。
リーの忍道が、リーの声で耳元に再生される。
――体術しかなくても、立派な忍者になる――
「リーッ!!」
ガイが叫んだ。リーの目が一瞬驚きに見開かれ、ガイが自信に満ちた笑顔を見せた。砂が再びうねりながらやってくる。リーは決意に満ちた強い瞳で砂を見返した。
「だめよリーさんッ! このまま戦い続けたら、死んじゃうっ……!」
サクラが絶叫をあげる。本来ならここで、観戦している他の上忍たちが止めに入ってもいいはずだった。いや、そうするべきだった。これは試合ではない。戦いだ。上忍たちは黙視せず、助けるべきなのだ。
けれど彼らは誰一人として動かなかった。それはリーの瞳が、決意の熱い輝きに満ち溢れていたために、誰も手を出せなくなってしまったのかも知れなかった。
リーの口元に戻る、余裕の笑み。次なる砂の攻撃を、リーは光のような速さで避けた。
「リーさんの動きがっ……」
「戻った……!?」
いのが驚愕した面持ちでリーを見つめ、はじめがその後を接ぐ。我愛羅が冷たく言い放った。
「何をするつもりかは知らないが……お前はここで終わりだ」
我愛羅の言葉を、驚いたことにリーは否定しなかった。
「そうですね……いずれにしても、次で終わりです」
床からぼろぼろと土くれや石の塊が浮き上がり、リーの黒い髪が逆立ち始め、地面がわずかに振動を始める。強大なチャクラの影響により、リーの立つ地面そのものが影響を受けているのだ。そのこめかみに血管が浮かび、地面の振動が一層激しくなった。全身からチャクラが立ち上り、顔中に血管が浮かび、肌色が赤く変色する。
リーの最終奥義が、今ここで放たれようとしていた。
体に於ける八つのチャクラが密集した部位にあるとされる八つの門を解き放つ、八門遁甲。自分の命すら脅かす禁術だが、それを使えば一時的に火影すら上回る力を得ることが出来るとされる。
「生門――開!」
八つの門の内三つ目――生門が開かれた。リーが動くのと同時に、全身から散発されるチャクラに影響され、地面が隆起し土や岩石が持ち上がる。もはや深緑の閃光すら捕らえられない。何も見えないまま、我愛羅の顎が下から蹴り上げられる。あまりの爆風に鬼鮫やイタチ、ネジやガイなど屋根の上に立つもの達は屋根の瓦につかまり、いのや
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