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ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第二十一話 夕日
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そこに顔を埋めて泣いた。いつまでもいつまでも。



 ◆



 昔――――。

 もう一年くらい前だろうか。
 私はアスナとくだらないことで口論した。今考えれば、大人げなかったと思うが、毎日命のやり取りを繰り返していたことで、追い詰められていたのだと思う。すぐ沸点に達し、アスナに思いつく限りの暴言を吐いて、そのまま外に出て行った。

 だがその後、ひどく後悔した。出て行ったのはいいが、行くあてが全くないのだ。
 最初は宿を借りて、朝までふて寝でもしようと考えた。だが、まだ夕方なのと、イライラしているのもあって、全く寝付けない。わだかまりを解消しようにも私が気兼ねなく話ができる人はアスナだけであり、他に頼れる人は一人もいなかった。

 私はため息を一つつくと、宿の外にでた。転移門を使って22層に転移する。
 この層は、森林と水で覆われ、自然豊かであると聞いていたので、前々から気になっていた。気分転換にも持って来いだろう。
 私は、景色を眺めながら、小道をゆっくりと歩く。気が付くと、二十二層に点在する湖の中でもひときわ大きな湖の畔についた。水平線に沈む夕日が反射して、幻想的なコントラスト生み出している。その美しさに、うわぁと、思わず感嘆の声を上げる。その時、

「クスッ・・・・・・」

 っと言う笑い声が微かに聞こえた。背中をビクッとさせ、音源の方向に振り向く。そこには、銀髪に翡翠眼、そして整った顔立ちをした少年が座りながらこちらを見て微笑んでいた。裾が膝下まである白いコートが風でふわりとたなびいている。
 不覚にも、私は一瞬見とれてしまった。だがすぐに先ほどの無防備な姿を見て、微笑んでいるのだと気づき、カーッと顔が熱くなる。その様子が面白かったのだろう、少年はさらにクスクスと笑いだした。恥ずかしすぎて、私は俯いてしまう。

「ごめんごめん、子供みたいな声あげるもんだからつい面白くて。でも、ここの夕日きれいだよね。多分アインクラッドの中で、一番きれいに見えるんじゃないかなって思うんだ」

 銀髪の少年の話し方は、すっと心に馴染んでくるようなものだった。その不思議な感覚に、私はいつの間にか、自然と顔をあげて、彼に話かけていた。

「ここにはいつも来ているんですか?」

 そう話しかけてから、私は自身の行動にビックリした。なんせ、今まで自分は男と極力関わらないようにしていたのに、この初めて会った少年に、まるで友人に接するかのように、自分から話しかけていたのだから。

「時間があれば、かな? それはそうと、初めましてだね。俺の名前はリオン、よろしく」

 それが彼、リオンとの出会いだった。

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