十話:後輩が冷たいです
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
けどな……
これもう、俺が本格的なパシリになってる気がするんだけど
……最近、俺の扱いが色々と酷いと思う。裁判で訴えたら多分、勝てるレベルで酷い。
「……ルドガー先輩はトマトが好きなんですか?」
「ああ、俺の体はトマトで出来てるからな!」
「……冗談はどうでもいいので質問に答えてください」
「ごめん、俺、何か塔城を怒らせるようなことしたか?もし何かあったら謝るからさ」
後輩の余りにも冷たい言葉が俺の心を深々と削る。
思わず崩れ落ちて情けない姿勢になるがこの際気にしないことにする。
「……作ってもらった料理全てにトマトが使われているのでトマトが好きなんですね?」
「はい、そうです」
もう、先輩の威厳なんてどこにもないな……。
でも、まだ塔城のご機嫌をとる選択は残されているはずだ、さあ、どうする、俺!?
『L1 もう、諦めてもいいんじゃないのか? R1 プライドを捨てて土下座だ!!』
こうなったらやけだ!日本の伝統文化―――土下座を見せてやる!!
行くぞ、これが俺の―――選択だ!!
「……いい加減頭を上げてください。
……スカートを覗こうとしているみたいで気持ち悪いです」
どうやら俺は選択を誤ったらしい。
「本当に俺が何かしたのか!?ごめん!
何をしたのか分からないけど取りあえずごめん!!」
「……別に何もありません。それより早くおかわり持ってきてください。」
「分かった…直ぐに持ってくるよ……くう……」
もうやだ、俺が何をしたって言うんだよ?
あ、姫島先輩、お願いですから俺を見ながら笑わないで下さい。
それ以上笑われたら俺はガチ泣きするぞ?みんなが引くぐらいに泣くからな?
ホントだぞ?ホントだからな?
だから誰か一人でいいから少しは俺に優しくしてくれよな!
Side塔城小猫
新しくオカルト研究部に入ったルドガー先輩は不思議な人です。
人間なのに祐斗先輩を軽々と倒してしまうぐらい強いですし、
魔王であるサーゼクス様が身元保証人とい言いますし
それまでの人生もどこかのヒーローみたいな経歴で不思議です。
それに料理をあっという間に作ってしまうところも不思議です。
これだけの量を直ぐに作るのは普通は無理です。
頼んだ自分が言うのもなんですが、学校であっさりと作るなんて色々とおかしいです。
いったい今までどんな状況で料理を作ってきたんでしょうか?
でも、一番不思議なのは、姉様の……いえ、懐かしい香りがすることです。
うっすらとしか臭いは残っていないので確信が持てるわけではありませんけど
姉様の臭いに近い物を持っているのは確実です。
もしかして姉様と繋がりがあるのでしょうか?
……いえ、それはないですね。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ