暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
八話 お見舞いです。
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れ500円とか、中学生のお財布事情にはなかなか厳しいぞ。

病院に着くと、受け付けのナースさんに部屋番を教えてもらう。なんとあいつ個室で入院しているらしい。ボンボンは違うね〜。

「ちわ〜、沢渡君、元気ーー…………へぇ〜……」

「え??おまっ!ちょっと??」

バンっ!と勢いよく扉を開けると慌てふためく沢渡。傍には外されたギプスと食べかけのメロン。

完全に(仮病)だ。さて、どうしてくれようか……。

「お、おまっ……どうして、居るんだよ」

「へー、ますみんからは重症だって、聞いてたけどね〜。どうしてほしい?嘘偽りなく、沢渡……じゃなくて、ネオ沢渡(笑)が襲われた時の事を話すか、マジで動けないほどの重症にしてほしいか。」

全く笑わぬ笑みを浮かべる私に対し、初め余裕の笑みを浮かべていた沢渡はその笑顔を忘れているほど、震えてしまっている。

「あ、もう一つ追加ね。小学生如きに1ダメージすら与えられずに負けたって言いふらしてあげようか?」

「くっ…………」

ここまで来て渋る沢渡。恐らく遊矢を悪者にするために話を盛りに盛ったのだろう。

なら、押して駄目なら、引いてみろってね。

「じゃあ、正直に話してくれたなら、コレあげるよ。」

私が差し出すのは、そう。無駄に名前が長い、スイートミルク・アップルベリーパイ とろけるハニー添え だ。それを見た沢渡の表情が一瞬にして緩む。

北風だけでは、ダメなのだよ。交渉には、太陽も大事なんだ

沢渡の方を向くと予想通りというか、目線はパイに釘付け。だが、最後の一線で踏みとどまっている様子。食欲と理性が争っているらしい。そして、私が悪魔の囁きをかけてやれば、いとも容易く食欲軍が勝利するだろう。

案の定、パイを手渡すとむしゃむしゃと食い始め、ペラペラと勝手に喋ってくれる。そして、その話に私が質問するとNPCのように即答してくれる。
会話内容はこんな感じ……


「いやー、隠れ家にいた時によ、ちょうどパイ食べようとしてきた時に何故か柊 柚子のやつが乗り込んできてよ。それからなし崩し的にデュエルになって、今の今まで食べれずじまいでな。サンキュー」

「え?初めから不審者に襲撃されたわけじゃないの?」

「あぁ、俺が柚子とデュエルしようとすると黒い覆面被った変な男が割り込んで来て、それからそいつとデュエルになったんだ。」

「へーー。で、その覆面男はどんなデッキだったのよ?」

「エクシーズ召喚してきたな。名前は忘れたが、黒色のドラゴンだったのは確かだ。」

どうやら沢渡さんはショックで記憶がとんでるみたいです……。

「エクシーズ召喚って……。それって、エリート君しか知らないんでしょ?」

「ああ、俺らの中じゃ、志島北
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