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同じ相手を
第一章
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で眉がやや太い。そんな彼がやって来たのである。
「あれっ、あの人」
 最初に彼に気付いたのは夏希であった。
「何かいい感じじゃない」
「そうね」
 母の瞳もその言葉に頷く。見れば彼の服は。
「しかもあの服って」
「あんたのところの制服じゃない」
「ええ、確かに」
 その青いブレザーと赤いネクタイはまさにそれだった。左胸のその校章のマークが何処の学校であるのかを何よりも雄弁に物語っていた。
「あれは」
「あの人誰かしらね」
「私三年だけれど」
 実は彼女は三年なのだ。既に上の大学への推薦が決まっていて楽なものである。受験については既にクリアーしているのである。

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