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藤村士郎が征く
幕間其の参 兵どもに夢のあと、東西交流戦終幕
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 天神館の2年生全員は、川神学園との挨拶を交わした後に、ホテルへと戻って行った。
 しかし、最後のあいさつという事で、西方十勇士だけは遅れて戻るという事で、まだ電車には乗らずにいたのだ。
 だがそれも終わり、改札口手前に来ていた。そこで――――。

 「まだ居たか。鉢屋、長宗我部」
 「「んん?」」

 二人に声を掛けたのは、黒いスーツに身を纏い、黒縁眼鏡をかけた銀髪の長身の男。
 藤村士郎だ。

 「おおー!士郎ではないか!久しぶりだな」
 「藤村士郎・・何時の間に来ていたのだ。気配を感じ取れなかったぞ?」

 自分たちを呼び止めた人物が士郎だと分かるや否や、長宗我部は満面の笑みに高らかな笑い声と共に歓迎の意を示す。
 方や、鉢屋は、気配を感じ取れなかった自分の未熟さに憤りると共に、士郎に警戒の意を示した。

 「ああ・・って、如何してお前は会うたびに、抱き着いてくるんだ!?」
 「ぬぁあはっはっはっはっ!久しき友との再会には、これが一番だからに決まっている!!」

 長宗我部は、上機嫌に再会の抱擁を、士郎にしてきた。

 「他意はないが、長宗我部。とある噂でお前は、両刀だって聞いたんだが、それとは関係ないよな?」
 「え?・・・・・・お、おうともさ!ぶ、無粋なことを聞くな士郎!」
 「うぉい!今の間は何だ!?と言うか、如何して動揺してるんだ!??」

 士郎と長宗我部がバカ?をしている間に、同じ西方十勇士である大友焔が鉢屋に話しかけてきた。

 「鉢屋、あの吾人は一体誰なのだ?」
 「・・・・藤村組の先代である藤村雷画の孫の一人であり、現総組長の藤村切嗣の実子でもある男、名を藤村士郎と言う」

 その説明を後ろから聞いていた石田が反応した。

 「何・・・だ・・と!?この俺以上の、出世街道を歩む男だというのか!?」
 「御大将?確かに藤村組は有名ですが、それほど有名な方なのですか?某、とんに聞き覚えがないのですが・・」

 そこで鉢屋が、島にある紙を差し出す。

 「これは・・?」
 「藤村士郎の公開されている、経歴と諸情報だ。島の旦那もそれを見れば、嫌でもわかるだろう」
 「ふむ。では、しばし拝借するぞ」

 島は、鉢屋から借りた、数枚にまとめられた資料を読んでいく。
 他も興味があるのか覗き見をする。そして・・。

 「何やこれ?完璧人間やん!」
 「しかも、あの九鬼財閥の総帥から認められていて、人材豊富にも拘らず、とある仕事を依頼されているって」
 「仕事の内容までは知らん。機密情報が絡んでいるのでな・・何なら調べてくるが?無論、有料で」
 「頼む気なんてありゃ知らんけど、因みに幾ら位で?」

 宇喜多の答えに鉢屋は、とある紙を取り出し、無言で渡す。そ
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