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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第8話:ナンバー2
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バイトして得た金)でデザートを買い、差し入れしてくれる事もあるから嬉しい。

「でも凄いねウルフ。名実共にグランバニアのナンバー2になっちゃうんだね」
「まだ先の事だけどね」
リューノが自分の事の様に喜んでいるので、何だか恥ずかしい。

「確かに“名”が“実”に揃うのはまだ先だけど、既にウルフはグランバニアのナンバー2だから、もっと偉そうにして良いと思う」
「偉くねーよ。この国で階級が上がるって事はそれだけ偉くなくなるって事なんだよ。お前等のパパを見ろ……未だに日雇い労働をやってる時があるぞ(笑)」

もう家族の全員が知ってるリュカさんの城下潜伏任務(笑)を思いだし、マリーから受ける賞賛の照れ隠しに利用する。
リュカさん批判をすると厳しい目で睨んでくるユニさんも、流石に笑って認めてくれた。

「でも実際、今の状況は居心地が悪かった。俺は年齢も若く曖昧な役職なのに、年上の大臣達に指示を……時には命令をしてるのだからね。不満そうにすればリュカさんの名を出さざるを得ないし、何時か復讐されるんじゃないかと脅えてたよ」

勿論そんな事にならないのは解っているし、仮に武力行使されても勝てる自信はあったから問題ないんだけど、王家に対する不満に発展されると厄介だと思ってた。
実際、リュカさんに不満を持ってる者も極少数だが存在するし……

それに先日、違法宗教団体をリュカさんの名の下に一斉検挙して、テロリスト予備軍みたいなものを作ってしまった感がある。
リュカさんは自身が神を信じてなく、宗教団体に嫌悪感を持ってるから、彼に詳しくない人から見れば、今回の件は自己満足の為に行った様に見えるんだ。

勿論そんな事はなく、現在国内の治安を維持してる憲兵隊が入念な調査を行った結果、思想的に危険で、反国家的或いは国民の安全を脅かす恐れがあると判断しての措置だったのだ。
故に放置は出来なかった。

だが、その宗教に心酔してた者達にしてみれば、リュカさんの決断は許せなく……また自分等の行動を正当化する為に、逮捕を免れた底辺の信者等はリュカさんを暴君と批判しているのだ。
見方を変えれば彼もまた暴君なのだが、歴史に登場する暴君とは体質が違う。

それにリュカさんは宗教の自由を許してない。
宗教団体にも税の義務を課しており、動産・不動産に問わず全ての資産を税務署に調査させている。
お布施や寄付なども許可しておらず、全ての金品の流れを明確化させているのだ。

そんな中で起きた一斉検挙劇。
宗教家が不審・不安に思うのも道理かもしれない。
だから一応、俺からもリュカさんに注意を促した事がある。

だが『治世が不安定で、民衆が幸せとは遠い場所に居ると、目に見えない神や宗教に走る傾向がある。安全で安心できる世の中を作れば、誰もがそんな物に頼
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