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オズのムシノスケ
第七幕その三

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「将軍にお菓子を頂きたいのだけれど」
「事情はわかったわ、それならね」
「お菓子持って行っていいかしら」
「好きなものを好きなだけ持って行って」
 将軍は笑顔でドロシーに答えました。
「キャラメルでもどれでもね」
「そうしていいのね」
「うちのお菓子は何時でも誰でも食べていいから」
 将軍は笑顔のままでした。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、何でもどれだけでも持って行って」
 またこう言うのでした。
「遠慮なくね」
「有り難う、それじゃあね」
「ボタン=ブライトにあげる分だけじゃなくてね」
「っていうと?」
「折角来てくれたから」
 それならというのでした。
「あんた達もどう?」
「お菓子を食べていいのね」
「さっき遠慮なくって言ったよね」
 だからだというのです。
「食べて行ってよ」
「ふむ。それでは」
 教授は将軍の言葉を聞いてです、恵梨香達に顔を向けて彼女達に尋ねました。
「君達はどうかな」
「本当にいいんですか?」
 恵梨香は申し訳なさそうに教授、そして将軍に尋ねました。そのお話を聞いて。
「何かいきなり来てそれでもですから」
「言ったわね、遠慮は無用って」
 将軍はその恵梨香ににこりと笑って言うのでした、彼女にも。
「誰でもね」
「それじゃあ」
「じゃあ僕達も」
「そうだね」
 ジョージと神宝も言います。
「将軍の申し出をね」
「受けさせてもらおう」
「そうね」
 ナターシャも言うのでした。
「じゃあお言葉に甘えて」
「お茶もコーヒーもあるわよ」 
 飲みものもと言うのです。
「何も遠慮はいらないからね」
「それじゃあ」
「宜しくお願いします」
 カルロスも将軍に言います。
「将軍のお家のお菓子を」
「じゃあ旦那も呼んでね」
 将軍はご主人のことも忘れていませんでした。
「皆で楽しく飲んで食べようね」
「あそこの席ね」
 丁渡皆のすぐ傍に木の椅子とテーブルがありました、重厚な青い樫の木で出来ています。
「あそこに皆が座って」
「あの席はね」
 どうかと言う将軍です。
「旦那が作ったのよ」
「将軍のご主人が」
「ええ、そうなの」
「ご主人器用なんですね」
「そう、木のものならね」
 それならというのです。
「何でも作ってくれるのよ」
「そうなんですね」
「丈夫でしかも座りやすくて」
 その席のこともお話する将軍でした。
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