暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode32:アイス・ピラーズ・ブレイク
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執事服の魔王。その渾名が今日の隼人の戦利品である。
二戦共に相手の魔法を全く寄せ付けない完封勝利。二回戦では相手の魔法を凍りつかすなどという芸当も見せており、その存在を九高に深く刻み込んだ。
更には同じ一高の深雪も隼人に劣らぬ戦いを披露しており、その美貌も相まってかなりの有名人となっている。
執事服の魔王と巫女服の女帝。ネットの急上昇検索ワードにランクインした彼と彼女は、若干機嫌が悪かった。

「み、深雪…落ち着いて、ね?」

「有名人になれたんだから良かったじゃないか」

ほのかと森崎に宥められても、二人の表情は相変わらず無表情のままだ。
現在は一時間限定でメンバー全員が顔を合わせる一日で一度の夕食の時。
先程までは一年生男子と女子で明暗の分かれた雰囲気だったのだが、今は隼人と深雪の迫力に呑まれて一年生全体が謎の緊張感に覆われている。

「ねぇ森崎くん。俺って、そんなに悪魔に見えるかな?」

「あ、ああ…まあ、今日の戦い方からしたら、そう見られても仕方ないんじゃないか……?」

「やっぱりそっか。ふ、ふふふ……あぁ、色々吹っ切れた。トコトン魔王になってやる」

隼人からしたら余り有名になりたくはないのだ。それを、自分の登場初日から検索ワード一位を取ってしまえば有名にならないはずがない。だから落ち込んでいたのだが、どうやら吹っ切れたらしい。
深雪は達也に慰められて事なきを得たようだが、下手をすればこの辺り一帯が吹雪に見舞われていたかもしれない。

「ああそういえば、森崎くん優勝おめでとう」

気合が空回りして不調ばかりの一年男子の中で、森崎だけは冷静に対処し、そしてスピード・シューティングで見事に優勝を飾っていた。

「あ、ああ。九十九のお陰だよ。君との特訓で僕は冷静になることができた」

そう、それは紛れも無い事実である。以前の森崎のままだったら、きっと他の一年男子のように空回りして実力の半分も出せなかっただろう。
隼人との修行で心に余裕ができたから、落ち着いて試合に集中できたのだ。

「そっかそっか。よかったよ」

満足気に頷く隼人に、先程の険悪なオーラは出ていなかった。どうやら危機は去ったようだと、胸をなで下ろす森崎であった。



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「やはり強敵だな、九十九隼人」

「うん…彼の干渉力はかなり強い。生半可な攻撃じゃ完璧に防がれるし、防御が甘ければ瞬く間に崩される」

夜、一条と吉祥寺の二人はモニターを見ながら揃って顔を険しいものにしていた。
彼らが見ているのは、昼間に行われた男子アイス・ピラーズ・ブレイクの試合。その中でも異彩を放つ九十九隼人の試合。
相手の攻撃を全て防いだ上で、相手の防御を貫通させての完封勝利。発動す
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