第17話 =穴の底で=
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かってここからが本番だって時とかほかのギルドの人たちと一緒にご飯食べて仮眠とって、なんてことはよくあるからな。
「ふうん…聞かせてよ、ダンジョンの話」
「おっけ。…とその前に」
俺は使った鍋、皿、テーブルなどを片付けその代わりに2つ、ベッドロールを出す。
「結構高級品だぜ、これ。断熱完璧、対アクティブモンスター用のハンディング効果つきだ」
俺が作ったわけではないが少しドヤ顔してみる。そんな顔にリズは呆れているが、そんなことは予想通りだ。
「こんなものまで…よく持ち歩いてるわね…2つも…」
「実は4つあります」
「…悠香ちゃんたちのか…そういえば悠香ちゃんのプレイヤーネームって何?」
「そのまんまだよ」
「…え?ユカってこと」
リズがたどり着いた答えに俺はうなずく。正直本名使うなんて馬鹿げてるけど、何か納得したような表情をしていた。
そして俺は腰の大剣をはずし、リズはメイス、そして【うさんくさいおっさん】で出現したマントを脱ぎベッドロールに中にもぐりこんだ。
「やっぱ暖けぇ…」
「うん…ね、さっきの話してよ」
「ダンジョンの話…か…」
それから俺はリズに今まで起こった話をした。
さすがに、月夜の黒猫団の話とか、ユカが引きこもってたなんてそういう話はしなかったけど。
ボスモンスターからゲットしたレアアイテムの配分でじゃんけんして決めたり、MPKされそうになった話とか…
俺がこのゲームを楽しんだ結果をずっと話していた。
「ねぇ…リクヤくん…」
「別にリクヤでいいって」
「じゃあ…リクヤ…なんであの時私を助けたの?助かる保証なんて…ううん、死ぬ確率のほうが高かった…なのに…」
あの時は俺も体が勝手に動いてたからな…なんでっていわれても…そんなに思いつくわけじゃないけど1つだけあるとしたら…
「…誰かを守れないのはもう嫌だから…それくらいなら俺も死んだほうがまだマシ…それがリズみたいな女の子や同級生ならなおさら」
「……昔に比べて馬鹿が増したね…そんなやつなかなかいないわよ」
この世界に来て苦い経験もしたから、逆に馬鹿になったのか…
でもそれが今の行動理由でもあるんだよな…誰かを守りたいっていうのが。
そんなことを思っていると突然リズが手を外へ出した。
「ね、手を握って…」
「…わかった…」
俺も同じように手を出し手のひらをリズの上へと乗せる。
リズの手はさっきのカレーに比べれないほど温かい、けどなにか冷たいものも感じた。
「温かい…」
「だな…」
「…私もリクヤも…仮想世界のデータにすぎないのに…」
実際には俺たちの体はどこかのベッドの上だから頭の中だけの処理なんだけどそれでも
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ