第148話
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」
顔を真っ赤にして言ってくる美琴。
しかし、麻生からすれば何故顔を赤くしているのか理由は全く分かっていないようだ。
「ところで。」
と、さっきから気にしていたのか、麻生の身体を見ながら言う。
「そんなずぶ濡れになってまで何してんのよ。
傘も差さないで。」
「ああ、人を捜していてな。」
麻生は自分に向けている美琴の傘を元に戻す。
そしてこう言った。
「もう帰れ。
時間も遅い。」
「ちょっと待ちなさいよ。
アンタはどうするのよ。」
「言った筈だ。
人を探しているってな。」
「手伝うわよ。
どうせ戻った所で減点は回避できないわよ。」
「でも帰れ。」
美琴が協力すると言っているのにストラップの時とは違い明確に拒絶する。
麻生はこの異常事態に知り合いが余り関わって欲しくないと思って言っている。
しかし、事情が分からない美琴はその言葉の真意が分かる訳がなく。
「どうしてそこまで拒絶するのよ。
一人より二人の方が捜す効率は高いでしょ。」
「いいから、俺に構わず帰れ。
俺一人で十分だ。」
魔術の事を話すつもりも今の現状を説明する気がない麻生はそう言って美琴を拒絶する。
その言葉に美琴はカチン、ときた。
「何よ、そんなにまで私が頼りにならない!?」
「そうとは言ってない。
ただ、お前の力を借りる必要がないだけだ。」
「手伝った方が速いに越したことはないでしょ!」
何やら意地になっている美琴を見て、麻生はため息を吐く。
最後にもう一度言った。
「いいから、帰れ。
これはお前が関わる必要のない事だ。」
その言葉が美琴の胸に突き刺さった。
麻生は能力を使ってビルの上まで一気に移動する。
美琴は追いかけようとは思わなかった。
大覇星祭の時。
とある事件で少しは二人の間が縮まったような気がした。
自分のこの説明のしようのない感情に戸惑ったが、それほど悪いものではなかった。
むしろ、心地よかった。
それがさっきの言葉で崩れた気がした。
自分が勝手に思っていただけで、麻生の方は何も思っていない。
「私はそんなに頼りにならないの?」
美琴のその小さな言葉が口から漏れた。
置いて行かれている気がした。
第三位としての力があってもあの男の隣に立てていない。
大きく突き放されてるような感じがした。
自分は完全に蚊帳の外で全く頼りにされるおろか、邪魔と思われている。
それが堪らなく美琴の心を抉って行った。
美琴から少し離れた所で着地して、麻生は再び捜索を開始する。
事情を全く知らない美琴が寮に戻っている事を祈りつつ、麻生は雨の中走って行く。
そろそろ愛穂の
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