第三章
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「一切な」
「わかりました、それでは」
「うむ、戦おう」
「これより」
二人でこう話してだ、そしてだった。
二人は兜を着けそうしてランスも持ってだ、激しく打ち合った。それは十合、二十合と続いてだ。遂には百合を超えた。
だがまだ続きだ、二百に達したところで。
相手の騎士の身体が微かにだが揺らいだ、馬上で身体のバランスを崩した。そこにだった。
ラインマルはランスを横から振って一撃を浴びせた、それでだった。
騎士を馬上から叩き落とした、騎士は鎧で衝撃が殺されしかも上手に受身を取れたので身体を起こせた。だが。
自分からだ、今嶋しげであるが潔く認めた。
「私の負けだ」
「それを認めて下さいますか」
「貴族としてな」
これが彼の返事だった。
「そうさせてもらう」
「わかりました、それでは」
ラインマルもその子音場を確かに聞いた、そうしてだった。
彼は無言でその場を去った、エリーゼと侯爵の嫡男が例を言いそれに会釈をしてだった。己の馬に乗ったまま静かに去った。
そしてだ、公爵にこのことを報告した。その時にだった。
公爵は彼にだ、難しい顔で言った。
「満足しているか」
「はい」
ラインマルは片膝をつき頭を垂れたまま答えた。
「左様です」
「ならいいがな」
「それが何か」
「そなた、実は」
公爵は難しい顔のままラインマルに言うのだった。
「騎士としてだけでなく」
「その様なことはありませぬ」
頭を垂れたまま言うラインマルだった。
「私は騎士です」
「それだけだというのだな」
「そうです」
あくまでこう言うだけだった。
「ですから」
「そうか、わかった」
公爵も納得した、そしてだった。
彼にだ、あらためて言った。
「この度の褒美はあらためて渡す」
「有り難きお言葉」
「そしてだ」
さらに言うのだった。
「そなたにやがて妻をな」
「縁組をというのですね」
「相応しい相手を見付けておく」
ラインマルの本心をあえて聞かないままの言葉だった。
「そうしておくからな」
「是非お願いします」
「そういうことでな」
公爵はこう言うだけだった、ラインマルの気持ちを思い。
暫く後、侯爵の嫡男の怪我が癒えてからだ。その時にだった。
エリーゼは彼と婚姻を結びその領地に赴いた、その見送りにだった。
公爵領に残るラインマルは穏やかな表情を作ってそのうえでだった、エリーゼに対してこうしたことを言った。
「姫様、お幸せに」
「そう言って頂けるのですね」
「はい」
その穏やかな笑みでの言葉だ。
「神のご加護があらんことを」
「それでは」
エリーゼは気付いていなかった、だがその言葉を受けてだった。
彼女は微笑みだ、そのうえでラインマ
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