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クルスニク・オーケストラ
第七楽章 コープス・ホープ
7-8小節
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任せてもらえるか。わたくしどもに提案できる選択肢はその二つです」

 マクスウェルは沈黙した。長く、長く。
 やがて、ぽつりと呟いた。

「――――考える時間をちょうだい」

 ああ、マトモな人間のマトモな答えだ。

 マクスウェルは俺たちに背を向けて社に入っていった。


「どうするんだ、この後」

 隠れてた階段を続々と登ってくる、ルドガーと、その仲間たち。

「彼女の返答待ちです」
「何でわざわざこんなまどろっこしい真似したんだ? 上手く丸め込めなかったとは思えないぞ」
「こら、アルヴィン」
「よろしくてよ、レイア様。――確かにアルヴィン様のおっしゃる通り、強行することも、騙して加担させることもできました。ただ、わたくしがそれを善しとしないだけ。ユリウス様はいつもわたくしのワガママに付き合ってくださってましたの」

 笑いかけられたんで、苦笑を返しておいた。

 こういう奴なんだよなあ、ジゼルは。非効率だし、非能率的だ。何度注意してもやめやしなかった、頑固な部下。これで、もしマクスウェルが姉を守るために刃向ってきても、それさえ真っ向勝負するんだよな。

「さて! 時間が空いてしまいましたね。ここで待っていてはミラ様のお邪魔になってしまいそうですから、一度降りましょうか」
「また階段〜」
「ナァ〜」
「エル様、登る時はおんぶしてさしあげますから。ね?」
「ジゼルがそーゆーなら、いいけど」
「ありがとうございます」

 ジゼルはエルと自然に手を繋いで階段を降りて行った。まるで歳の離れた姉妹だ。ルドガーが子供だったら同じ提案ができたんだが。やれやれ。

「何てゆーか……エージェントって子守りの分野でも強いんですねえ」
「美女で段取り上手の子守り上手ねえ。引く手数多だろーよ」

 ――引く手数多ならそもそもエージェントになんてなれない。骸殻による世界の破壊なんて、必要としてるのはクラン社くらいなんだから。ある意味で、一機能特化の烙印を押されてるに等しいんだが。まあ、言うまい。それはともかく。

「ジゼルが美女、というのは訂正の余地があるぞ。あれはメイクしてるからそう見えるだけだ」
「そうなんですか?」
「そうとも。ノーメイクのジゼルは………………残念だぞ」
「溜めて言うことがそれかよ!」
「異性のスッピン知ってる関係!?」
「頼むから若者の情操教育によろしくない話すんなよ〜」
「確かに美女だと男としては嬉しいが、ジゼルは美人でなくてもいいぞ俺は」

 場が凍りついた。
 何でだ? 確かに化粧を落とせば外見的魅力も落ちるが、別に目を覆うほどでもなし。メイクの下に隠れた隈やらこけた頬やらについて定期的に説教しないと、あいつはいつまでも休もうとしない。

「あとヴェル
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