暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
目を閉じよ
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
高らかに宣言したガトーが小刀で貫かれる

・・・そうか、ちゃんと自分で殺すんだな

だけど暗殺なのに声なんかかけちゃいけないって、後で説教しないとダメだな


「・・・狐火」


吐きかけた唾を狐火で燃やした

コンなりに怒って、どうにかしたかったんだろうか

死亡を確認し、首と胴体を切り離したあとコンはこちらに・・・いや、白の元まで歩いて来た

この光景に、皆黙ったままだ

依頼主であるガトーが殺されたため、再不斬との戦いは終わり、傷を癒そうとしている


「・・・なぁ、お前、大切なものがあると強くなれるって、言ってただろ?
 別になくても強くなれるよな?あれからずっと探してたんだ、大切なもの
 ・・・でもさ、思い浮かばないんだ」


泣きそうな顔でコンが白に声をかけた

もう、白は死んでいると止めようとした時、声があがった


「・・・あぁ・・・そう、ですね、なくても・・・強くは、なれますよ・・・」


「白!」


まだ生きている!思わずといった風に再不斬が白へ走り寄る

泣いている、あの鬼人が泣いている

2人して白の傍に座り込んで、手を握っていた


「まだオレは見つけられてないだけなのかな
 それともオレにとって大切なのは自分の命なのかな」



「巫子様もいつか・・・命より、大切な人が見つかることでしょう
 思い出すことでしょう・・・
 ・・・そのときは、想ってくれている人よりも・・・もっと強く、覚悟を決めてくだ・・・さいね・・・」



「そっか、白は神殿のこと知ってるんだ・・・
 覚悟・・・するよ
 お前みたいに、道具みたいって言われても、大切なもののために覚悟を決めるよ
 いつか、絶対に」


「白・・・今までありがとう・・・悪かったなぁ」


「再不斬・・・さん・・・ボクは、いま、とても・・・嬉しいです・・・」



雪が降ってきた

それからもう二度と口を開かない白の体を覆うように、雪が降っていた

雪で、2人が泣いているのかどうかも分からなくなった


「・・・なぁ巫子、だったよな?・・・白の葬儀、頼めるか
 俺にはよく分からない宗派なんだ・・・」

「・・・火葬になるけど、良いかい?」

「あぁ」


コンが白の体に何か持たせた

あれは?三日月型の紙?


「・・・信徒と出会うことなんて、二度とないと思ってたんだけどな」


略式で、ごめんなと声をかけ白の体を狐火で燃やしていく

肉の焼ける匂いが立ち込めるかと思いきや、何故だか匂いがない

あの紙、匂い消しが含まれていたのだろうか

遺骨をまとめ、月のような色合いの和紙で包む

それ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ