ターン16 鉄砲水と歯車と地獄
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ールか!」
突然投げかけられた、聞き覚えのある声。あの子供の時にどんな育ち方すればそんな語尾が身につくのかさっぱりわからん特徴的な話し方は、この世広しといえどもそうはいない。というか、もしあの人以外でこんな喋り方してる人がいたらびっくりしてひっくり返る自信がある。
「クロノス・デ・メディチ、ただいま参上ナノーネ!」
「一体何をしに来たでアールか、クロノス代理校長!」
「だから、代理はやめるノーネ!」
もはやお約束と化したやりとりを終え、改めて僕の方に向き直る先生。
「まったく………一人でプロと戦おうなんて、いくらシニョールと言えども無茶が過ぎるノーネ。ナポレオン教頭、話は全部私の耳に届いていましたが、高校生相手にプロデュエリストをぶつけるとはいくらなんでも生徒にとって不公平すぎると思われるノーネ。よってこの勝負、私がここから代わりに行わせてもらいますーノ!」
「な、なんと。それは………」
「ふっ、面白い。私はそれでも構わないぞぉ」
文句を言おうとした教頭を止めたのは、以外にも当事者のタイタン。なんだろう、さっきからこの人の大物オーラがすごい。去年のあの人と同一人物とは思えない。
「と、いうことですシニョール清明。あとはこの実技担当最高責任者、クロノス校長に任せるノーネ」
「でも、先生……」
「ノンノン。生徒は教師の言うことを聞くものであるからして、口答えなどしてはいけませんーノ。………それに、これは私からの贖罪の意味もあるノーネ」
「贖罪?」
不意に大真面目な顔になるクロノス先生。声もやさしく諭すような調子から、急にシリアスな感じに変わる。
「去年あなたはあのタイタンとデュエルしましたね、シニョール清明。これまで黙っていましたが実はあれは、私がこの島に招いたデュエリストだったノーネ。私が教師として未熟だったせいで入学したてのあなたたちを危険な目に合わせてしまいました。もちろんこんなことでその罪が消えるとは思いませんが、せめてこれぐらいは私にやらせてください」
マジか。マジでか。大体おかしいとは思ってたんだよ、なんで学校の廃寮にわざわざ入り込んでたのかとか、なんで僕と十代の名前を知ってたのかとか。あの時はそれどころじゃなかったから疑問に思わなかったけど、あとから考えてみれば明らかに変だし。そうか、あのやたらめったら嫌味で小物だったころのクロノス先生が呼んでたのか。
まあ、もっとも、
「そのことについては気にしないでくださいよ、先生」
「ホワッツ?しかし………」
「今となってはいい思い出ですし、それに」
ここで、チラッと自分のデッキを見る。思えば、あの時のタイタンとのデュエルがきっかけで僕はこうやって精霊が見えるようになれたんだ。それに、あの体験が元になって稲石さ
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