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ロックマンX〜5つの希望〜
第五十話 出撃
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見えた。

ゼロ「そうだな。だが、焦りは禁物だ。焦りは判断力を低下させる。」

戦場において、過度の感情は逆効果となる。
それが分かっているからこその言葉。

レイヤー「分かっています。あくまで、冷静に。」

ゼロ「ああ」

2人はそれぞれの武器を握り締め、更に奥へと突き進む。





































駆け抜ける先に執着の扉があった。
扉の先の開けた空間には、こちらに背を向けたレプリロイドがいた。
一見隙だらけだが、背中から放たれるオーラは、迂闊に踏み込めば命がないと思わせる程の恐ろしさを抱いていた。

ゼロ「この反重力研究所の主任研究員、グラビテイト・アントニオンだな?」

ゼロが殺気を内包した声で問うと、レプリロイドは静かに振り返った。

アントニオン「ようこそ、このステージの終着点へ。歓迎しますよ」

知性を感じさせる穏やかな声。
反乱が起こる前は新世代型レプリロイドの中でも優れた研究者だったアントニオン。
ゼロはその片鱗を垣間見た気がする。
尤も、今は戦いを引き起こした憎むべきイレギュラーであることに変わりはない。

ゼロ「シグマが貴様を狂わせたのか?」

アントニオン「狂った…?究極の破壊者となれる可能性を持ち、あの方と同じ素質を持つあなたがそんなことを口にするなど嘆かわしい…。イレギュラーか否かといったレベルで、あの方を測るのは不可能です」

やはり狂っている。
アントニオンの言葉を聞いたゼロは自然とセイバーを握る手に力を込めた。

レイヤー「…私達に理解出来ることは、あなた達を止めなければならないということです」

凛と言い放つ。
気高い華のような構えに、美しい長髪が揺れた。

アントニオン「愚かな人だ…私の邪魔をするというのならば、排除するまでです!!」

瞬間、真四角のブロックが現れる。
キューブドロップ。
巨大な物体を投げつける技。
重量のあるそれは、ゼロとレイヤーの元に勢いよく落下する。
バン!!と弾ける音が小霊し、キューブが砕け散る。
粉々の破片の下には何もない。
2人は寸前で回避していた。

アントニオン「ふふ…」

動物の蟻がそうであるように、アントニオンは壁をよじ登り、天井に移ると、緑色の液体を撒いた。

レイヤー「ゼロさん!!」

ゼロ「しまった…っ!!」

フォーミックアシッド。
粘着質の液にゼロの足が取られる。
レイヤーは直ぐさま駆け付けると、レイピアで液を切り裂いた。

ゼロ「助かった」

見上げると、アントニオンが超越者の如きの顔で見下している。
新世代型レプリロイドとし
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