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その魂に祝福を
魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり1
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感覚。それは、リブロム――御神光の魔法だった。
 自分が消滅する感覚は一瞬で終わり、身体が戻ってきた時、僕らは臨海公園に――なのは達の戦いを見守っていたその場所に戻っていた。標的を見失った雷撃が海原に突き刺さり、巨大な水柱を上げる。それを見やってから、今さらになって冷や汗が吹き出てきた。
『ったく、前も言ったが重量超過にも程があるぜ』
 やれやれと言わんばかりに、リブロムが大きく息を吐いた。
『だが、これで万事オーケーだ。戦果は上々。良くやったなチビ』
 リブロムの言葉に、なのはがはにかんだように笑う。確かにリブロムの素直な称賛なんて、これが初めての事かも知れない。
『ちっとばっか欲をかきすぎたな。過ぎた欲望は身を滅ぼすぜ、魔女さんよ』
 上空を見上げ、リブロムがにやりと笑う。そこにあるのは、空間の歪み。次元魔法を放った影響だろうが――その魔法が、彼女にとっては命取りになったはずだ。
(いや、ダメか。アルフの話が本当なら、プレシアはジュエルシードを従えている)
 本来なら消耗しきってロクに魔法が使えなくなっているはずだが――ジュエルシードを従えているなら、話は別だ。どんな反撃がくるか分からない。だが、僕らに関してなら、しばらくの間は安全なはずだ。
『首尾はどうだ?』
『上々だ。空間座標は完全に把握。今、武装局員を派遣したところだ』
 リブロムの問いかけに、クロノが答えた。管理局の精鋭を片手間に相手をする事はさすがにできないだろう。もっとも、
『御神光の調子は?』
 彼が不在では意味がない。リブロム達は何も言わないが――多分、彼を蝕む衝動を鎮める方法はそれしかないのだから。
『問題ねえとは言えねえな。だが、もうじき正気に戻るだろ。……まぁ、正気に戻るのもこれが最後かも知れねえが』
『……そうか。待っててくれ。すぐに収容する』
 少し躊躇ってから、クロノが言った。
 …――そして、次の瞬間には僕らはアースラに戻っていた。そこで、僕らは狂気に出会
う事になる。




『よし、嬢ちゃん。あの黒いのには気をつけろよ。油断すると手籠にされるぞ』
 アースラに戻ってくるなり――僕の顔を見るなり、リブロムが言った。多分、金髪の少女――フェイト・テスタロッサに向けた言葉だろう。
「そんな事は断じてしないから安心してくれ」
 いい加減名誉棄損か何かで訴えられないだろうか――半ば本気でそんな事を検討しながら、取りあえずフェイト・テスタロッサに向けて告げる。もっとも、そんなつまらない冗談につきあう気力など彼女にあるようには見えなかったが。……だから、なおさら性質が悪いとも言える。
「なのはさん、よく頑張ったわね。アルフさんとユーノ君もお疲れ様。それからフェイトさん、はじめまして」
 フェイトは視線を逸らせたままだった――
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