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その魂に祝福を
魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり1
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ェイトの事をお願い」
 少なくない躊躇いを振り切って、アルフがリブロムを抱きかかえて立ち上がった。
「待ってください! 僕も行きます!」
 早々にブリッジを出て行こうとする二人に、ユーノが叫んだ。
「あれを見つけたのは僕だから。最後まで見届けさせてください」
『……一応言っておくが、安全の保証はしねえぞ?』
「構いません」
 躊躇いなく言いきったユーノに、リブロムはにやりと笑って見せた。
『なら、好きにしろ。……ああ、そうだ。狼の姉ちゃん。オマエもオレをあの魔女の方に投げたらすぐに逃げた方が無難だぜ?』
「馬鹿にするんじゃないよ! 何があっても、最後まで見届けるさ」
 挑むように、アルフが言った。
『クククッ。それなら、それでいいさ。そんじゃ、さっさと決着をつけちまおうぜ。世界が終わる前にな』
「ああ。そうだな」
 その通りだった。リブロムの言葉に頷く。

  ――世界が終わるまで、もう時間がない




 アルフ達が出ていくのを見送ってから。
「えっと、その、よかったら私の部屋に行かない?」
 遠慮がちに、光の妹さんが言った。何も考えられず――自分で考えるなんて事は思いつきもしないまま、彼女の手を取る。その柔らかな感触に誘われるまま立ち上がって――
≪そのままでいいのか?≫
 誰かが言った。……ような気がした。ニミュエの声と同じように曖昧なそれは、しかし彼女の声ではなかったように思えた。落ち着いた、大人の男性。そんな気がした。
≪彼ならどのような形であれ決着をつけるだろう。だが、君はその結果を待つだけで後悔はしないか?≫
 待っているだけで、何か変わるだろうか。その結果を、私は素直に受け入れられるだろうか。その時、私は光を怨まないでいられるだろうか。
(私は……)
 決断を、しなければならない。私が決断するとしたら、それは今でしかない。
 母さんか、アルフか、光か、この子か、世界そのものか、あるいは他の何かか。それが失われてしまう前に。
(でも、私はあの子の……アリシアの紛い物で――)
≪君は紛い物などではない。あの子とは違う、ただ一人の人間だ。あの子も……彼の妹もそう言っていただろう?≫
 彼の妹は、友達だと言ってくれた。
≪それに、彼ならおそらくこう答えるはずだ≫
 妹のように思っている――その誰かは、光ならそう答えるだろうと言った。本当にそうだろうか。本当にそれを信じていいのだろうか。
≪今すぐに納得できないと言うなら、それは仕方がない。だが、君の意思は、今もまだ君の手の中にある。それを忘れない事だ≫
 決して拭えぬ後悔と、それがもたらす疲労。微かな溜息ののち、それらを秘めた声で、その誰かが言った。  
≪自分の意思。それを見失ったばかりに、取り返しのつかない過ちを犯した事が
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