空を制圧する鉄塊
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あの夜から数日後。また呼び出しを食らいました。明日香から。
……呼び出すことが癖になってないか?
「……なにか用か?……ん?いつもの取り巻きの二人はどうした?」
待ち合わせの場所は人目につかない林の中。夜なこともあり、人は俺達以外にいない。そして俺を待っていたのは明日香と恵だけ。金魚のなにがしのようにくっついている二人の姿はなかった。
「大事な用事があってね。遠慮してもらったのよ」
「大事な用事?」
言葉だけ聞くと色恋事かと思ってしまうが、残念ながら明日香の表情がそうではないことを物語っている。
「シンクロ召喚ってなにかしら?」
「……」
俺は明日香の隣に佇んでいる恵に視線を向けた。すると恵が気まずそうに視線を逸らす。
おい。
「……恵から教えてもらわなかったのか?」
「名前くらいね。恵、あまり喋るのは得意じゃないでしょう?」
「……はぁ……じゃあ、俺の部屋に来るか?」
「へ……?」
唐突にポカンとした表情になる明日香。その後、顔を真っ赤にして後ろに下がる。
「いや、シンクロ召喚に知りたいなら実際にデュエルした方がいいだろう?」
なにを勘違いしたのだろうか?
「そ、そんなの……ここでやればいいじゃない! デュエルディスクもあるんでしょう?」
「あー、そういうことか……」
粉砕して玉砕しちゃう社長さんに知られたくないっていう事情を知らないから、明日香は夜に男性の部屋を訪ねるということをそういう風に受けとったわけだ。
「デュエルディスクはあまり使いたくないんだが……」
「なぜかしら?」
広まると世界崩壊の危機だからです……なんて言えないよなぁ。なぜ滅びたのか知らないし。
「ちょっと待ってくれ。……恵」
明日香に断りを入れ、手で恵を呼び寄せると密談を開始した。
「……ゾーンと連絡は取れるか?」
「無理。繋がりが感じられない」
「というか、なぜ明日香にバレたんだ?」
「だって……シンクロ使いたい……」
ソワソワとする恵。おいおい、恵はゾーンの外部端末じゃなかったのか……。
「だが……」
デュエルディスクを使えば……。
「問題ない。私なら遮断できる」
「……それ、なんで前の時に言わなかっんだ?」
確か恵とデュエルした時、その理由でデュエルディスクを使わないって言ったような……。
「忘れてた」
おい……。まあ、いいか。
……というか、なんで教える方向で話を進めてるんだ?
「教えてあげて」
疑惑を持ったのを察知し、恵はやはり起伏の少ない声をあげた。
「……なぜ?」
「同室だから」
「本当の理由は?」
「……本気で
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