第10話 第5次イゼルローン要塞攻防戦
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ん。味方の救出のタイミングで攻撃しています。ここは味方を放置してでも後退して、艦隊を再編しなければ全軍崩壊します。」
「どういう事だ?」
「故に我、戦わんと欲すれば、敵、塁を高くし、溝を深くすと雖も、我と戦わざるを得ざるは、其の必ず救う所を攻むればなり。
過去の兵法の一編です。即ち敵は味方を態と生かして、それを助ける為に救出しに行った所を急撃しようと狙っています。このまま再編せずに戦えば敵の思う壺となります。その為に機雷の炸薬を減らして撃沈しないようにしています。」
別の参謀もヤンの意見に賛同した。
「分かった。ここは速やかに後退しよう。」
シトレは決断したが、それでも味方を救う為に戦場に留まる艦艇がある。その艦艇も態とエンジン部分を攻撃して、撃沈しないようにする。
戦場に取り残された艦艇は白旗を上げるしかない。
同盟軍は味方を見捨てて後退せざるを得なかった。
「敵の作戦にまんまと乗せられました。」
艦隊を再編して攻撃しようにも味方艦が戦場に取り残されている。敵はそれを盾にした陣形を取っている。
同盟軍は被害を増やさないように撤退するしか道は残されていなかった。
イゼルローン要塞攻防戦に置いて、トールハンマーを使用せずに艦艇の少ない帝国軍が勝利した初めての戦いとなった。
Sideout
帝国暦483年 、宇宙暦792年 5月 7日 帝国軍 新型駆逐艦ハーメルンV(ドライ)
Side ラインハルト・フォン・ミューゼル
「航海長、水雷長、見事だ。航路の選定も機雷の投下タイミングも、初めての実戦とは思えないぐらい完璧であった。しかし、敵もこちらの意図を読んで撤退した。撤退のタイミングがもう少し遅ければ、戦果を増やせたに違いない。」
「「はい、ありがとうございます。」敵にも優れた参謀がいるようですね。」
「ああ、その通りだ。」
Sideout
第5次イゼルローン要塞攻防戦は帝国の勝利となった。
帝国軍の戦死者及び行方不明者14万8200人。
同盟軍の戦死者及び行方不明者18万2100人。捕虜8万2500人。
両軍共に光輝の手の者が参加しており、それらは無人艦を操作しており、実際の戦死者はずっと少ない。
■帝国暦483年 5月24日
ラインハルトとキルヒアイスは、第5次イゼルローン要塞攻防戦に功績があったとして、それぞれ少佐と大尉に昇進した。
■帝国暦483年 7月12日
ミッターマイヤーとエヴァンゼリンが結婚した。
■帝国暦483年 、宇宙暦792年12月19日
同盟軍がヴァンフリート4=2の南半球に後方基地を建設する。
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