第六楽章 呪いまみれの殻
6-4小節
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って聞いたな。俺が答えてやるよ。正解はな――ここにいる。俺たちが、《シゼル》だ》」
《彼ら》は、わたくし。
それが答えよ、エルちゃん。
「ご納得頂けまして?」
「わっ、ジゼルだ」
ポーズを女らしいものに戻して、エルちゃんに笑いかけてみた。驚いて引かれちゃったけれど。
「なんか……ややこしいんだな」
立ち上がる。ルドガーと距離を詰めると、ルドガーは一歩下がった。失礼ですわね。
「《クルスニクの鍵》である貴方は、挑んでは敗れ続けた《彼ら》にとっては最後の希望。《審判》を終わらせるかもしれない、文字通りの『鍵』。こんな指導係に怯えて辞めるなんて、できればしないでほしいのですけれど」
「や、辞めるなんて誰も言ってない!」
そうね。エージェントであることは、貴方にはアイデンティティですものね。
そして貴方が辞めない限り、エルも――本物の《鍵》もワンセット。
大丈夫。「本当のわたくし」がどれだけ塗り潰されたって、クルスニクにハッピーエンドを、という祈りがある限り、大丈夫なのよ。
例えいつの日かわたくしが「わたくし」でなくなってしまっても。
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