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ラ=トラヴィアータ
第十章
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ういう話があるんだ」
「そうだったんですか」
「そしてもう一つだけれど」
 スタッフはこのことも彼に話してきた。
「剣ちゃんオペラは聴く?」
「オペラですか!?」
「そう、オペラだけれど」
 話は今度はかなり知的なものになっていた。
「聴くかな。どうかな」
「いえ、ちょっと」
 彼の問いにはついつい申し訳なさそうな顔になって首を横に振ってしまった。
「あまりそういう高尚なのは」
「じゃあ椿姫なんて知らないよね」
「椿姫ですか」
「ヴェルデイのオペラなんだ。原作は有名な文学作品でね」
「文学、ですか」
 どちらにしと剣人には馴染みのない世界であった。彼はそうした話とはあまり関係のない世界を過ごしてきた。趣味といえばテニスにテレビゲームなのである。
「それのヒロインが。娼婦でね」
「娼婦っていうと」
「簡単に言うと風俗嬢だね」
 スタッフはここではかなり現代風に砕けて説明した。
「そのヒロインはね。そういう立場だったんだよ」
「風俗嬢がヒロインですか」
「こう言ったらあれだよね」
 スタッフはこの現代風の表現から少し苦笑いになって述べた。
「今の携帯小説と同じだね」
「まあそうですよね」
 携帯小説なら読まないわけではない。だからこそ今は頷くことができた。

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