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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―邪心経典―
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ンド」

「私のターン、ドロー!」

 まだあの《邪心経典》はどんなものか分からず、不気味に沈黙を続けていく。そのせいで、《ロード・ウォリアー》と《バスター・ショットマン》の活躍により、ワーム軍団を壊滅させたにもかかわらず、あまり喜ばしい事態とは言えなかった。頭上で怪しく光る《邪心経典》にも注意を向けながら、俺はまたもや語り出した闇魔界の覇王の話に耳を傾けた。

「生き抜く為なら泥をすすり、寝食を共にした仲間すら裏切り、血反吐を吐こうが倒れなかった。……どうやら、彼女はそこまでしてでも生き残りたいらしい。果たしてその願いが神に通じたのか、彼女は最後の一人として生き残った!」

 闇魔界の覇王が今話している話が本当だという証拠は何処にもない。むしろ、俺を決闘に集中させないようにするのが狙いだ、と考えた方が納得できる。よって、ただ話半分に聞いてこちらの思考時間とすれば良い。

 ――などと頭の中では考えていても、本能が現実を見ようとしない俺の本能へと囁いてくる。……覇王が言っていることは本当だと。

「私は《ワーム・ゼクス》を召喚!」

 後攻一ターン目と同じく、再び《ワーム・ゼクス》が召喚される。違う点と言えば、フィールド魔法《シャインスパーク》で強化されていることだが、《ロード・ウォリアー》に対してその強化は無いに等しい。召喚と同時にワームモンスターを墓地に送る効果が発動し、さらにはゆらりとフィールドに影が揺らめいた。

「《ワーム・ヤガン》の効果。フィールドに《ワーム・ゼクス》がいる時、このモンスターは裏側守備表示で特殊召喚出来る!」

 揺らめいた影の正体は《ワーム・ヤガン》。こちらも同じく、後攻一ターン目と同様の手段でフィールドに現れ、闇魔界の覇王のフィールドにセットされる。一体目の《ワーム・ヤガン》は、自身のデメリット効果により除外されている筈なので、新たに《ワーム・ゼクス》の効果で墓地に落としたモンスターか。

「さらに、《悪夢の鉄檻》を発動してターンを終了しよう」

 ならば次は《太陽の書》で《ワーム・ゼクス》をリバース――となるほど、後攻一ターン目に忠実ではなかったものの、代わりに俺のフィールドを《悪夢の鉄檻》が封じ込める。さしもの《ロード・ウォリアー》も身動きが取れず、攻撃が出来ない状況で俺たちにターンが回って来た。

「俺のターン、ドロー!」

 俺のフィールドには《バスター・ショットマン》を装備した《ロード・ウォリアー》に、リバースカードとして伏せられている《くず鉄のかかし》。闇魔界の覇王のフィールドには、戦闘破壊耐性を得る攻撃表示の《ワーム・ゼクス》にバウンス効果を持つ裏側守備表示の《ワーム・ヤガン》。さらに攻撃力が低いモンスターを守る《ガリトラップ―ピクシーの輪―》に、俺たちを封じ込
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