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刻命館VS帝國華撃団 帝都妖異譚
第二部
第二章
真相

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ため息混じりにかえでは答えた、「レニ、貴女の考えたとおりよ」
副司令就任の際に見た機密の人事ファイルに記された紅蘭の過去は悲惨なものであった、馬賊に輪姦されている所をあやめが救い出したはいいが、軍機の為先進医療を持つ欧州列強の中国租界地ではなく、日本の(京都帝国大学病院から急行させた一流医とはいえ)劣る病院設備において堕胎手術を行った事が紅蘭の胎内結界が弱い原因である。帝国歌劇団のパンフレットや関連出版物には大連でのあやめのスカウトが面白おかしく記されている※1が現実は甘いものではない。
一連の紅蘭の過去をかえでは説明する。
「姉さんにはすぐに妊娠がわかったそうよ、霊力を持っていればすぐに判別がつくらしいわ」
「ボクは正規軍人ではないので軍機関連に対しては何も言わない、知識としては軍人がその種のジレンマに陥ることはしばしば有ることはわかっているけれども」
やや言いたいこともありそうな表情を一瞬だけ浮かべるがレニは続ける。
「時間が惜しい、現在帝国華撃団の正面戦力は4名にまで減少している」
マリアは寄生されており、カンナがつきっきりでその「相手」をつとめている。そして魔に対する切り札的存在といえるさくらがまず自身の切り札「破邪剣征・桜花放神」を放てるようになるまでの霊力回復時間が不透明、紅蘭は先のかえでの説明を聞けば戦線復帰出来るかどうか自体怪しい。
「戦力が足らない、戻ってくる織姫とすみれにはどう説明する?」
「彼女たちもわかっているはずよ、隊長を除けば全員女性で、それが魔に対抗するものであるという時点で、おおよその察しはついているわ」
そう、負ければ男なら喰い殺されるだけだが、女なら嬲りものにされながらも生きて帰ることが出来る、犯す側も妊娠を期待しているから。
幸い、二度の戦いでは負けて犯されることは無かったが。
「副司令がそう言うならわかりました。意見具申、館攻略及びそれが敗勢になった場合も含めて、壁を破壊出来るカンナを投入すべきだ、」そう、カンナなら罠ごと噛み破り内壁をブチ破り、最悪外壁を蹴破って撤退することも出来るというのだ。「ちょっと、マリアの相手はどうするの?二人の付き合いは長いし、相手を変えるというのも・・・」「それはボクが引き受ける」「何を言っているのレニ、、」かえでが問題点を指摘する前にレニは言い切った「ボクは女性としての身体機能を持たない両性具有者です」

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