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オズのムシノスケ
第六幕その九

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「それでだよ」
「将軍のお家に着くまでに」
「何かがあることはね」
「そのことはですね」
「頭に入れておこう」
「私の旅はね」
 ドロシーも言います、林檎を食べながら。
「本当にいつもね」
「トラブルが起こるんですね」
「予定通りにいったことはないわ」
「そういえば前のモジャボロさんとカドリングに行った時も」
 カルロスはその時のことを思い出しました、オズマのパーティーに色々な人達を招待する為に招待状を届けるあの旅のことです。
「結構色々ありましたね」
「予定通りにいかなかったわね」
「そうえばそうですね」
「そう、だからね」
 それでだというのです。
「今回もね」
「何かあることはですね」
「頭の中に入れておきましょう」
「そうですね、それじゃあ」
「さて、ではね」
 それではと言う教授でした、今度は林檎を食べつつ。
「そうしたことも頭に入れて」
「トラブルがあっても戸惑わないことですね」
「それで我を失ったら駄目だよ」
 それで終わるからというのです。
「何があっても惑わない、いいね」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
 カルロスだけでなく他の子達もです、そうしてです。
 皆で果物も楽しんで、です。皆で一緒になのでした。
 将軍のお家に向かいます、すると教授の言葉通りです。物事は予定通りにはいきませんでした。
 煉瓦の道の上にです、今度は。
 猪が寝ていました、青い猪がです。教授はその猪を見てからそのうえで五人の子供達に顔を向けてこう言いました。
「ほらね」
「象さんみたいですね」
「また道の上で寝ているんですね」
「そうだね、このまま素通りしてもいいけれど」
 それでもというのです。
「このまま放っておくのもよくないよ」
「道ですからね」
 それでとです、カルロスは教授に答えました。
「誰かが通りますから」
「この猪君は象君よりも小さいけれど」
「それでもですね」
「往来の邪魔にはなるよ」
 それで問題だというのです。
「どうしてもね」
「そうですね。ですから」
「何とかしないと駄目ですね」
「うん、そうだよ」
 その通りだというのです。
「今回もね」
「さっきはですね」
 カロロスは象のことも思い出しつつ言いました。
「声をかけて起きてもらってでしたね」
「そうだったね」
「はい、ですから」
「そうだね、まずはね」
「声をかけてですね」
「起きてもらってね、寝ている理由を聞こう」
 こうお話してでした、そのうえで。
 教授は猪にも声をかけました。
「おい猪君」
「・・・・・・・・・」
 返事はありません。目を閉じて寝息を立てて寝ています。教授はその猪に対して再び声をかけました。一度で駄目ならと。
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