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日向の兎
1部
テンテン
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それにしても悪趣味な部屋ね……金にもの言わせて色々買っただけって言うか、物の持ち味をまるでいかせてない。典型的な成金とでも言ったところね。
「お初お目にかかります、ヒジリと言います」
「ふん、小娘じゃないか」
「あはは……よく言われます」
……ここに着いてからずっと浮かべているヒジリの愛想笑いには正直悪寒がしっぱなしね。普段のヒジリならこんな男、問答無用で再起不能にでもしているんだけど……一体何を考えているのやら。
「それで要件はなんだ?」
「はい、それでは早速本題に移らせて頂きます」
そう言って、ヒジリは鞄から何枚か書類を取り出してガトーに手渡した。
「これはガトー社長の依頼内容ですが……少々我々としても不安に思える箇所があるように思えましたので、確認という形で再度一読して頂けないでしょうか?」
「ふん……これの何処が不安だと言うのだ?」
「それではご説明させて頂きます。まず、我々忍の任務は依頼された事を完遂することですが、依頼された事以上も以下も実行することはありません。
要はその依頼書に表記されていない事は一切行えません」
「だから、それがどうした」
「はい、ですから我々はガトー社長を守る事は任務ですので可能ですが、例えば……」
ヒジリはそう言って一旦言葉を切ると、彼女の発するチャクラが少しだけ変わった。どうやら白眼を使ったみたいだけど……一体何の為にしたんだろ?
「ガトー社長が我々に秘密で霧隠れの凄腕の抜け忍、そうですね……桃地 再不斬(ももち ざぶざ)を雇っていたとして、彼が何かの拍子で裏切る又はガトー社長にとって彼が邪魔になった場合に、貴方の命ではなく御社の資産を奪ったとしても我々はどうにもできません。
何故なら、依頼書には貴方を守れとはありますが貴方の所有物を守れとは一言もないからです。
ですので、契約内容の変更を提案させて頂きますが、如何でしょう?」
「……木の葉の里は依頼主の腹を探る方針なのか?」
ガトーはサングラス越しにヒジリを睨みつけたけど、ヒジリはその笑顔を一切崩さずに言葉を続ける。
「いえいえ、ただの例えですよ。もし御社が指名手配犯を匿っているとなりますと、貴方を今すぐ拘束し公の場にお連れする事になるじゃないですか。
いくら御社が強大な力を持っていようと国際手配されている人間を秘密裏に雇い、仕事をさせていたと世間に知れればそれは大きな不信となる。
企業にとって不信は後々にまで響く傷となり、世間からの不信は商いを行う企業にとって最悪のダメージでしょう?
それに周囲の企業にとって、そういった不祥事は御社の権益を奪う格好の機会となります。
それはたった一代でここまでの会社を築かれたガトー社長ならば重々理解していただいているでしょうから、そのような事は起こり得ないと信じ
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