仗助が億泰に髪型バカにされたらきっとこんなテンション
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あの日―――俺は確か小学生の低学年だったと思う―――俺は自分の苗字が変だって馬鹿にされた。
それが悔しくて悔しくて、泣きながら学校を飛び出した。
それで滅茶苦茶に走り回って、どこにいるのか分からなくなって、泣いていたところを見つけてくれた。
「あらあら聖ちゃん、こんな所にいたのかい?」
大好きだったお婆ちゃん。
いっつもニコニコしてて、会うたびにお菓子とかくれた、優しいお婆ちゃん。
「おやおや、どうしたんだい? 男の子は泣くものじゃないよ?」
そう言って頭を撫でてくれた。
俺はお婆ちゃんにしがみついて泣きながら、学校であった事を話した。
お婆ちゃんは黙って聞いてて、話終わってまだしゃくり上げてる俺の頭を撫でてこう言った。
「それは悔しいよねぇ、誰だって自分のお名前を馬鹿にされたくないよねぇ。よしよし、じゃあお婆ちゃんが良い物をあげるから、泣くのはおよし?」
そう言ってお婆ちゃんが着物の袂から出してくれたのは、古い時計のネックレス。それを俺の手に握らせて、お婆ちゃんは微笑んだ。
「それはお爺さんが私と結婚した時に、貧乏で指輪なんて買えなかったから代わりにくれた物なんだよ。安物だけど、お婆ちゃんの宝物だ。聖ちゃんにあげる。」
――いいの?
と俺は聞いた。そんなに大切なものを貰ってもいいの? と。
「いいんだよ、聖ちゃんになら。いいかい? もしいつか、聖ちゃんが辛い目にあっても、この時計を持ってるかぎり、お婆ちゃんは聖ちゃんの傍にいるよ。いつでも聖ちゃんを見てる。だから、もう泣かないでいいんだよ?」
それから半年後、お婆ちゃんは死んだ。癌だそうだ。呆気なかった。
今でも俺は、お婆ちゃんの言葉と、頭を撫でてくれた手の暖かさを覚えてる。
サイズ的に大きすぎたからキーホルダーにして、修行が終わった時にネックレスに戻して首につけてた時計。
今まで1回も手放したことがない。
今となっては、大事な前の世界の思い出の品で、お婆ちゃんと俺との宝物。
それを、この目の前のアマは攻撃しやがった・・・・・・!!!!
「オイ、いつまでそこで固まってんだ!! 精霊出さないならアタシが攻撃するからな!!」
目の前でアマが何かほざいてる、俺の宝物壊して何様のつもりだ。
「な、何だよその目! アタシが何か睨まれるような事したかよ!!!」
あぁ、したよ。
だけど言ってもどうせ理解しないだろう、出来たら宝物に攻撃なんてしねぇさ。
だったら、ぶっ潰すまでだ・・・!!
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 何で何も喋らないんだよ! もういいよ、喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
我慢の限界が来たらしいアマが怒鳴り、奴のザ・ハンドが攻撃してくる。
あの右手に触れたら消える。回避しねぇとマズイ。
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