暁 〜小説投稿サイト〜
凡人? 天才? それとも……。
第十三話【彼と彼女】
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初

「り、凜。そ、その今日からバイトの日は一緒に帰らないか……?」
 陽奈が口を開けて、目を見開いている。大地のセリフに驚いているのかな。という私も驚きを隠せない状態である。大地はそんな私たちの反応を見て、大地は頭を掻き毟った。もう一度私をチラッと見ると、一息ついて彼はこう言った。
「ええい、こうなれば自棄だ、正直に言う」
 そうつぶやくき、改まって私を見つめる。
「俺は、天海凜と付き合いたい。凜が俺のことを嫌いでも、苦手でも、俺と付き合ってほしい。たった1週間でもいいから! だからこれから一緒にいたい」
 大地は途中から必死になるあまり声のボリュームを抑えるのを忘れ、ほとんど叫んでいる。そのせいで教室にクラスメイトはこっちを気にしている。正直恥ずかしいよ……。でもそれ以上にうれしいな……
「うん。私でよかったら是非」
 満面の笑みで答える。周りのクラスメイトは唖然としている人やきゃあと言っている人やいろいろな反応している人がいる。隣の陽奈は、大地に対する怒りと私に対する嬉しさで複雑な表情をしている。当の大地ですら驚いる。本当に失礼な幼馴染だ……。これが私が初めて大地の前で素直になった瞬間というのに……。

   ☆

 その帰り道は何故かぎこちなくなった。私的にはすごく大地に抱き着きたかったのだが。付き合ったということはその日の放課後のうちに広まったみたいで、私の親衛隊(知らない間に出来ていたみたい)の少なき女性隊員たちが私に質問攻めしてきているのだ。そのせい大地とは変に距離が空くし、質問の内容では不快な思いをさせている。
「あの〜。もう今日はここまででいいですか? 私今からバイトで急いでいるっでうけど」
 本日何度目になるかわからない断りを入れる。
『最後に一つだけお願いします。これだけは聞きたいです!』
 また来た。さっきから最後に、最後にと言っては次の質問をする。これを断ればいいのだが他人の押しに弱い私は決まって
「これが最後なら答えます」
 と言ってしまう……。これを見越していることも自覚しているのに
『なら、親衛隊の情報だと凜さんはこれで告白されるのは2回目となりますけど。どうして前の人は振ったのですか?』
 まさか! ここでこの質問!? 大地には隠してたのに……
「そ、それは……」
 前から大地に対して恋心を抱いていました! なんて惚気られないよ〜。流石に大地に聞かれるのは恥ずかしいし……。どうしよう……。
「ごめんね、これ以上はもういいかな? 時間なんだ」
 大地がそう言って私の手を引っ張る。そして一礼してバイト先へと足を進める。
 後ろから、親衛隊が、まだ話が終わってないです。と言っているが無視をして早足で歩く。親衛隊と距離が空いてから大地が手を離した。
「あの悪い。強引に引っ張って来て」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ