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藤村士郎が征く
第17話 以下略 後編 戦場を蹂躙せし若き軍神、駆けつけるはオルレアン解放の英雄 ジャンヌVS雫
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と言うのであれば要は無い』
 「で、あるならば、退くわけにはいきませんね」

 その言葉を真面目に受け止めた黒騎士は、ジャンヌの意思を尊重しつつ、今の自分の役割に戻ることにした。

 『成程。暁流槍術――――迅雷(ならば――――是非も、無い)!!』

 言い終える前に黒騎士は、雷が落ちるかの如く動き、光の速度でジャンヌの横に移動していた。
 そしてそのまま、漆黒のランスを突き貫いた。
 但し、貫いたのは空気のみだが。

 『!?』

 ジャンヌはいつの間にか、自分がいた(・・)場所の黒騎士の横に来ていた。
 そしてそのまま――――。

 「フロンタル・ストレート」

 黒騎士の兜めがけて、ジャンヌはかなりの気を練った拳を突き貫くように繰り出した。
 しかし黒騎士は、瞬時に横に居たのに気付き、楯でそれを防ぎつつ、そのまま押し込むように気を込めた楯で攻撃する。

 『暁流矛盾術――――圧害(あっがい)!』

 楯の前面に風の圧力壁を創り出し、そのまま吹き飛ばすなり押しつぶす技だ。

 しかし、この技を楯の上の枠部分に掴み逆立ちするように躱しつつ、そのまま兜を蹴り砕くように足を叩き落とす。

 「タロン・セレントベ」

 踵落としが眼前に迫るも、黒騎士はそれに落ち着いて迎撃する。

 『暁流――――甲殻(こうかく)!』

 文字通り、カメが甲羅に潜る時の様を表した防御技である。
 ジャンヌの攻撃に対して、そのまま固くした頭と兜で受けつつ迎撃した。

 だが、踵落としが防がれるや、ジャンヌはそのまま宙で逆さ状態のまま、黒騎士の背中を気の込めた拳を思い切り打ち出した。

 「はぁああ!!」
 『っ!?』

 《甲殻》が発動中のまま故、その攻撃からはダメージは無い。
 しかし、いくら体を固くしたからと言って、衝撃までは防ぎきれずいくらか撃ち飛ばされる黒騎士。

 それでも、スムーズに着地した黒騎士はジャンヌを睨み付けるかの如くに、彼女に兜を向ける。

 『・・・・・・』

 この二人の戦いが始まってからここまで、僅か5秒ほどの攻防だが、黒騎士が自分たちに全く本気で当たっていなかったことは勿論のこと、その黒騎士に勝るとも劣らない腕をあの(・・)ジャンヌ・オーリック(絶世の美少女)が持っていたことを否が応でも痛感された光景だった。

 「フフ――――勝負は、まだまだこれからですよ!」

 不適の笑みを浮かべながらジャンヌは、黒騎士に突貫していった。


 −Interlude−


 この東西交流戦最終夜を、別の場所から観戦している者達がいた。
 場所は九鬼財閥極東本部の晩餐室の一つで、観戦者は九鬼帝に九鬼局、それに加え従者部隊の零番及び序列2位
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