第17話 以下略 後編 戦場を蹂躙せし若き軍神、駆けつけるはオルレアン解放の英雄 ジャンヌVS雫
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昔、この日本には川神に匹敵する武家の一族がいた。
その名を《暁》と言う。
その一族の中で最も強いものだけが、《軍神》の称号を名乗れるのだ。
彼らは西日本に本拠を構えていたので、『東の川神、西の暁』とか『東の武神、西の軍神』などと呼ばれるほどの、《武》における二大天だった。
そして、その栄光は永久に続くはずだったが約一世紀前、とある理由により年々衰退していき、今ではその名を知り得ているのは国内外問わず、ごく僅かにまで減っていったのだ。
話は変わるが、元武神であり川神院現総代の川神鉄心は、衰退する以前までの《軍神》であった暁幻摩とは強敵だった。
しかし、衰退していくにつれ会う機会も減っていき、今では生きているのかも怪しいとの事。
そうして、折角の同じ地平に立つ唯一の強敵を失った鉄心は、一時の間は彼と出会うまでと同じように孤独に陥って行った。
しかし、偶然にも、藤村雷画や、ヒューム・ヘルシングと言う新たな強敵との出会いにより、鉄心は天に感謝する思いだったという。
だが、だからと言って《暁》一族の事まで忘れることが出来たかと言えば嘘だった。
そんな10年前に、藤村雷画が西からとある女の子を拾ってきた。
その名を――――。
−Interlude−
この東西交流戦最終夜において、此方の首級を上げるために、我に切っ先を向けた黒騎士の攻撃からあずみごと移動させてくれたものが現れた。
しかし一体誰だと言うのだ?
そうして煙が晴れたその先には――――。
「「「ジャ、ジャンヌ!!?」」」
『・・・・・・・・・・』
(来ましたか、お嬢様)
英雄の窮地を救ったのは、この交流戦に置いては後衛の事実上の中心人物と、いつの間にかになっていたジャンヌ・オーリックだった。
「如何して、お前がここに?」
「直感ですか・・・ね」
そこで、ジャンヌをよく見るとそこには、銀色の手甲を装備していた。
「ま、まさかその黒騎士と戦う気なのか!?」
「無茶だよ、ジャンヌ!ジャンヌがそれなりに強いのは知ってるけど、そいつは強すぎるよ!」
「ジャンヌは戦えたのか!?い、いや、だが、あまりにも無謀すぎるぞ!マルさんだってこの通りなんだぞ!」
英雄を直も狙おうとする黒騎士に対してジャンヌは、二人の間に入りつつ構えている。
今この場で気を失っていない、三人の知人友人の静止の言葉を背中越しに聞いて。
「大丈夫ですよ、この場は私に任せてください」
「しかし!」
『・・・・・・・・』
「少なくとも、あちら側は見逃してくれるか怪しいですから」
『――――いや、私が用が有るのは、そちらの大将殿のみ。退く
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