暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
閉ざされた世界の英雄
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キル≫じゃ有り得ないんだ。索敵スキルで確認できるのはプレイヤー、もしくはモンスターの存在だけ。ましてや『プレイヤーがディアベル』なんてのは分からない。……隠蔽スキルに≪暗視≫という応用能力(モディファイ)がある。つまり≪暗視≫――暗い場所での視界取りは隠蔽スキルの範疇ってことだ。そこから推理したよ。君のスキル構成は聞く限り、≪片手剣≫≪盾≫≪武器防御≫≪索敵≫だったからね。隠蔽スキルの暗視を持っていないと、そう判断した。となると何故知っていたのかという点だが、事前に知っていた――というなら合致するな、と」
「そこから、ディアベルとの関係性をね……。名探偵じゃない、貴方」
「……一度そう推測すると、ディアベルの関係性を示唆する発言はいくつかあったな。君の髪の色の件とかな。ディアベルに関しての君の反応とかもそうだ。ラストヒットのあたりはもう気づかれる覚悟で攻めてきてたよな」
「……ええ、おおむね貴方の言う通り、ね。でも付け加えることが一つあるわ。――ディアベルがキリトくんのラストヒットを邪魔しようとしたことは知っているかしら?」

 記憶を辿り、キバオウがキリトからアニールブレードを入手しようとしていたことを思い出す。あれはディアベルの策略で、それにインディゴも一枚噛んでいたのか。思考の最中で「ああ」と言い、記憶の逡巡が終わるよりも早く彼女は続ける。

「私の役目は、キリトくんとの接触と監視……と言っても、ラストヒットに割り込むときに口出しして邪魔するだけの予定だったんだけどね。キリトくんを誘えたまでは良かったんだけど……」
「そういえば、キリトを見つけたのは君だったな」
「貴方が誘わないから、焦ったわよ」

 青い瞳が皮肉を含めてこちらを見る。何処から手に入れたのか、俺とキリトがフレンド関係という情報をいつの間にか彼女は知っているようだ。

「≪鼠のアルゴ≫――じゃないな。それならこっちにも話が回ってくるはずだから――尾行……も考えにくいな。ああー、んー?」
「もっと単純、洞窟の出口で見たのよ。そのあと食事に入った店でバッタリ、ね」
「成程な、そこらへんは偶然なんだな。じゃあキバオウのことも?」
「勿論、知っていたわ。――私は、ラストヒットを手に入れることはベータテスターと新規プレイヤーの溝を深めかねない、って言ったんだけどね。特にキバオウを仲介役にするのには危険だと思ってた」
「……」

――溝を深めかねない、だって? 

 何を言うべきか分からず、言葉を見失ってしまう。青色の騎士二人の関係は、協力関係――それもただのパーティーではない、≪攻略の親密な仲間≫だとは思っていた。だが今の発言から察するにベータテスターとしてインディゴが立ち振る舞っていたように思える。俺の思考を先回りするように、インディゴは言う。


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