Bad Relay
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よう。そう考えた直に、もう一人の直が話しかけた。
せめて池谷には負けないんじゃなかったのか?
そうだ。
チームの重圧がある。今日は本調子じゃない。そんなことは関係ない。勝つことだけを考えろ。
自分に喝を入れた直は、意識してキックを強く打つ。先程まで重くだるかった体はもう水の抵抗を感じない。ゴーグルの中で目を思いっきり見開きつつ、規則正しく3?きに一回呼吸を入れて進み、直の右手はタッチ板を叩いた。
「何秒だ?」
すぐに水から上がり森野にタイムを聞くと、1分11秒辺りとの応えが返ってきた。普段練習している25mプールではなく競技用の50mプールでベストタイム近くなら十分だ、と満足した直は、レースはまだ終わっていないと気分を切り替えて、ぜえぜえと息をつきながらアンカー永川の泳ぎを見守った。
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