暁 〜小説投稿サイト〜
Swim-Final Round-
Bad Relay
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[9] 最初
よう。そう考えた直に、もう一人の直が話しかけた。

 せめて池谷には負けないんじゃなかったのか?

 そうだ。

 チームの重圧がある。今日は本調子じゃない。そんなことは関係ない。勝つことだけを考えろ。

 自分に喝を入れた直は、意識してキックを強く打つ。先程まで重くだるかった体はもう水の抵抗を感じない。ゴーグルの中で目を思いっきり見開きつつ、規則正しく3?きに一回呼吸を入れて進み、直の右手はタッチ板を叩いた。

 「何秒だ?」

 すぐに水から上がり森野にタイムを聞くと、1分11秒辺りとの応えが返ってきた。普段練習している25mプールではなく競技用の50mプールでベストタイム近くなら十分だ、と満足した直は、レースはまだ終わっていないと気分を切り替えて、ぜえぜえと息をつきながらアンカー永川の泳ぎを見守った。
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