第二部 vs.にんげん!
第27話 くそやろう!
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やく言った。
「何で」
いささか反感のこもった問いかけになった。
「何でそんなことがわかるんだよ?」
「城壁に上った奴がいる。そいつが見つけた。門からさほど遠くないところで、あいつらを乗せた馬車が……焼かれて……たぶん火矢だろうな……殺されて、そのまま放置されていたと。俺も見た。ああ、そうだな。全員じゃないかもしれんが……」
「嘘だろ?」
ウェルドは丸く目を見開いたまま首をゆるゆる振った。
「だって、そんなことしたって、おい、何になるんだよ? カルス帰りは外の魔物についてだってよく知ってる、戦力にもなる、だのに」
「理由なんて知るか。とにかくそういう事が起きちまった。壁新聞の情報だが、カルス帰りの奴から魔物化するって騒ぎ立ててる連中もいるようだし……それに、あいつらは連中にとって目もくらむような財宝を持ってた。持ち帰る途中だった。わかるか? そういうことなんだよ」
ウェルドは遺跡に挑むには最低のテンションで酒場を後にした。
道の途中、ディアスがザクッと氷の礫を踏んで立ち止まった。
「何だよ?」
ディアスは少し離れた位置からウェルドをじっと見た。それから無言で、細い顎をくいっと建物の間の細い道に向けた。
三人組の男が壁際に誰かを追いつめ、尋問しているように見えた。
ノエルだった。
「おいおいおいおい!」
ウェルドは大股で歩み寄りながら、威嚇をこめて大声を上げた。
「何やってんだぁ? おっさん共が女の子相手に小遣いせびりでもあるめぇよ?」
「ウェルド!」
男達が壁から離れ、路地に入り込むウェルドとディアスに向き直った。ウェルドと同じくめいめい武器を携えている。
「いい所に来やがったぜ。残りの凶戦士野郎どもだ」
髭面の男が剣に手をかける。その隙をついて、ノエルがウェルドのもとへそそくさと駆けてきた。ウェルドはノエルを後ろに庇い、一歩前に出た。
「ああん? 何だ、やるのかおっさん共」
「身の程知らずの生意気な小娘にちょっとばかし口の効き方を指導してたところさ。いいじゃねえか。そっちがその気なら俺らもやってやるぜ? なあ?」
「指導?」
ウェルドは男達が剣や短剣を抜くのを受け、背中の体験の柄を握りしめた。
「へぇー、どうも俺の言葉じゃそれ圧迫って言うんだけどな」
その手に、ノエルの華奢な手が制止を込めて重なる。
「ウェルド、やめて。もう行きましょ」
「逃がすかよ。背中を向けてみな、命はないぜ」
「おお、ちょうどいい。ガキ共も三人、俺らも三人、いい勝負じゃねえか」
髭面に追従するように、猫背で貧相な小悪党が嘲笑をこめて言い放つ。
「覚悟しな! ジャコとブーツィーの仇――」
「なにをしているのです!?」
第三者が厳しい声を投げかけたのは、ウェルドがいよいよ大剣の留め金をはずそう
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