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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第10話?四人だけの戦い
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倒すのは無理……いや、無理じゃないかもしれないけど、危険だわ。ここはやっぱり増援を送ってもらうべきよ」

?それに対して、カイが槍を肩に担ぎながら反論する。声のトーンはいつもと同じだ。表情もいつもと変わらず笑っている。

「だからさっき言っただろ??増援を送ってもらってボスのほうが崩れたらこっちも終わりだって。そうなるぐらいなら四人で頑張ったほうがいいだろ?」
「…………でも」
「大丈夫だって。普通に考えてボスよりは弱いはずだし、見た感じサイズもボスほど大きくないし」

?カイのその言葉を聞いて黒い鎧をしたコボルドを見てみると、確かにボスよりは小さかった。離れているから正確にはわからないが、多分僕の身長よりも少し大きいぐらいだろう。少なくともセンチネルよりは確実に大きい。
?――というか、このままだと(らち)があかないな。
?今は黒い鎧をしたコボルドが動いていないからいいが、もしこうしてる間にボスの方へ行かれたら、さらにヤバいことになる。
?僕は二人の間に割って入るように言葉を出した。

「まあまあ、二人とも。――じゃあこうしよう。もし、四人の中で一人でもHPゲージがイエロゾーン……つまり、半分になったら増援をお願いする。これだったらいいんじゃない?」
「う〜ん……それなら…………」
「よっしゃ!?ナイスだユウ!?さすがだな!」

?カイがすごく嬉しそうに左手の親指だけ立てながら僕に向けてきた。本当にすごく嬉しそうに歯を出して笑っている。
?それを見て僕は、右手で頭を抑える素振りをしながら息を吐く。

「まったく……ホントにお前のフォローは大変なんだからな。コウもそれでいい?」

?今まで考えるように顎に手をあてて少し俯き、僕たちの会話に参加せず聞いていたコウが僕の言葉でようやく顔を上げた。
?相変わらずの無表情なので、何を考えているのかはさっぱりだが、首を縦に振ることで「異議なし」と僕に伝えてくる。

「……カグヤの言う通り不安も多々あるが、ユウの案の範囲でやれば少なくとも死にはしない……と思う」
「それなら十分だ!」

?とカイ。
?コイツは本当に何も心配も不安もなさそうな顔をしている。むしろ楽しみで仕方ないとでもいうような感じだ。

「本当にどこから来るんだよ、その妙に満ち溢れた自信は……」
「あはははは、まあまあ、いいじゃねぇか」
「何がだよ……」

?心からため息をつきながら、意識を切り替える。これから未知のモンスターと戦うのにこんな気持ちではできることすらできなくなる。どうせやるならベストを尽くそう。
?左手に持っている武器を目を動かすことで見る。センチネルとの戦いでかなり消費したにも関わらず、そこまで耐久値は減っていなかった。
?前使っていた《スモールブレード》だった
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