第25話 夏休み後半は
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予備日は、2回しか使わなかった。苦手な数学も、1年生の問題でつかえていたところを教えると、2年生の部分、ほとんど教えなくてもすむぐらいだ。幾何学はともかく、簿記が苦手というのは、家計簿をつけるのが苦手ということにつながるのだが、そこは将来の話だから、そこまで気にすることはないだろう。
元高等法院長のリッシュモンが、アルビオンの間諜だったという噂が、街ではきこえてきた。家では、案の定、親父が苦い顔をしていたが、あれだけの大物が、間諜だったとしても、証拠集めで気がつかれるだろう。
まあ、これで、終わりではなくて、他の調査中の間諜の証拠を見つけ出すのがむずかしくなったから、現在わかっている間諜を取り締まるのがせいぜいだろう。
夏休みも終わりに近づいて、ティファンヌの夏休みの宿題も無事に終わり、夕食にも招かれることも多くなっている。ティファンヌの兄たちとは、ほどほどに話もすることはあったが、父親とはまだあったことも無い。これは定職につけるまで、あきらめるしかなかろう。
一方俺も、自分の兄貴とは、朝食時の2回しかあっていない。
「兄貴。早く結婚したらどうだー」
「気が向いたらな」
「そんなんだと、後ろから杖をふられるぞ」
「その時はその時までの人生だったのさ」
どこまで本気なのやら。
親父からは、相談があるということで
「まずこれを見てくれないか?」
そんなに厚くはない書類を見てみるうちに
「これ、本気で考えているの?」
「そうらしい」
見ていたのは『国軍編成諸侯導入案』という名の書類だった。
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