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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
第198話 紺色の妖精と紫の妖精
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後、トーヤはてんぐの気配が完全に消えてから、首に着けている幽封玉を外した。すると、トーヤの体が紫色の光に包まれ、トーヤが羽織っている黒いローブの裾がボロボロになり、こめかみの辺りからくるんと渦を巻いた角が生え、足が透け、トーヤの紫色の瞳が赤色に変わった。
これが、人間と幽霊の間で生まれた者―――――半幽人の真の姿だ。

ト「ふんっ!」

トーヤは助走をつけて小さく地を蹴った後悪魔と同じくらいの高さまで飛んだ。半幽人の姿になると、空を飛ぶ事も出来るのだ。銀髪と、ボロボロの黒いローブの裾が風になびく。
トーヤは悪魔の背後に周り込むと、固く握り締めた右手の拳に黒に近い色をした紫色の邪気を纏うと、

ト「邪気拳斬ッ!」

悪魔4「ぐはァ!」

拳を悪魔の背中に向かって振り下ろした。
トーヤの攻撃をまともに食らった悪魔は、体をUの字に反りながら墜落した。ドドドドドスゥゥゥン!と砂煙が舞い上がる。
トーヤは一度悪魔から距離を取ると、右手に黒い炎、左手に青い炎を纏うと、

ト「紅蓮地獄ッ!」

纏っていた炎を砂煙の中にいる悪魔に向かって投げ放った。だが、紅蓮地獄はそれで終わりではない。

ト「らあああああああああああああああああああっ!」

投げるとまたすぐに炎を纏い投げ、またすぐに炎を纏い投げ―――――。
トーヤと悪魔の周りは黒と青の炎が燃え盛り、辺りは地獄の炎と熱気で包まれた。

ト「(この炎は、妖霊王様から授かった“魂の炎”と“(あや)かしの炎”・・・それをあれだけまともに食らえば、いくら悪魔さんでも・・・・!)」

戦闘体勢を保ったまま呼吸を整え、砂煙の中に目を凝らしたその時、

悪魔4「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

砂煙の中で巨大な黒い(シルエット)が動き出したかと思うと、勇ましい咆哮を咆えながら悪魔が飛び出して来た。あまりにも咄嗟すぎてトーヤは悪魔をかわす事を忘れてしまい、悪魔の広げた巨大な掌で地面に押し潰されてしまった。

ト「うあああああああああああああああっ!」

口から血を吐き出す。

悪魔4「ほぉ、これはこれは。こんな所で世にも珍しい種族の者に出会えるとは―――。人間と幽霊の間に生まれし者―――――お主、半幽人じゃな?」

ト「こ・・これは、これは・・・こんな、所で・・世に、も、珍しい・・・人間の言葉を話せる悪魔さんに・・出会える、とは・・・・」

トーヤは痛みに顔を歪ませながら、悪魔の口調を真似て辛そうに言う。

悪魔4「これはこれは、今宵わしは何てついておるのじゃろう。人間界で盛大に暴れる事が出来、半幽人と出会えたんじゃからな。お主、名は何と申す?」

「これはこれは」が口癖らしい、古風な喋り方をする悪魔を真っ直ぐ捉え
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