第198話 紺色の妖精と紫の妖精
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」
有名な画家、ムンクが描いた“叫び”のような顔をして、ノバーリとイエーガが悲鳴に近い声を上げた。
絶体絶命の危機に陥っている中、カイが1人前に飛び出した。
リオ「カイ!?」
サク「何を・・・!?」
カイ「俺は水の滅竜魔道士だ。」
そう短く呟くと、カイは深く息を吸い込み、両頬を大きく膨らますと、
カイ「水竜の・・・咆哮ッ!!」
口から水の息を噴出した。赤黒い閃光が、水の中に呑まれる―――が、赤黒い閃光の方が勢いがあるせいか、カイの両足がズズズと後ろに動いている。
シェ「天神の・・・怒号ッ!!」
シェリアが駆け出したかと思うと、カイの横に並び息を深く吸い込み、両頬を大きく膨らますと、口から黒い風の息を噴出した。黒い風が水と共に赤黒い閃光を呑み込み応戦する。
カイとシェリア。お互い別々のギルドに所属している魔道士で、今年の大魔闘演舞で初めて顔を鉢合わせしただけの、ほぼ初対面に等しい真柄だというのに、滅竜魔道士と滅神魔道士という似た関係のせいか、息がピッタリと合っている。
サク「雷の御魂よ、敵に天罰を・・・!」
リオ「アイスメイク、鷲ッ!!」
サクラとリオンも駆け出したかと思うと、サクラはカイの横に並び、『御魂の桜扇』から雷を繰り出し、リオンはシェリアの横に並び、無数の氷の鷲を造形し同時に放った。雷と氷の鷲が水と黒い風と共に赤黒い閃光を呑み込み応戦する。
ノバ「お・・俺達も、応戦してェんだけど・・・」
イエ「あの状況に合った魔法が、俺達には使えねェんだよな・・・」
何の役にも立つ事が出来ないこの2人は、瓦礫の陰に隠れて見守る事しか出来ないでいる、何とも可哀想な連中である。
悪魔3「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
悪魔の咆哮が轟いた。その迫力に圧倒され、リオン達は思わず顔を顰めてしまう。
シェ「(うぅ・・ま、魔力がぁ・・・)」
カイ「(この悪魔は、魔力が無限・・なのか・・・!?もう・・限界寸前、だ・・・!)」
サク「(かと言って、今この場を離れて・・あの2人と交代しても・・・あの2人は、この状況に合った魔法を・・使う事は、不可能・・・!)」
リオ「(このままだと、全員全滅する・・・!せめて、誰か来てくれれば・・・!)」
ズズ、ズズズと4人の両足が後ろに動く。赤黒い閃光は今にも4人の体を貫く事が出来る距離まで迫っていた。4人は攻撃を止めないが、シェリアとサクラは目を伏せ、カイは両手の拳
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