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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第12話 「実習」
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出てもバチは当たらないと思いますよ?
「スゴいな、箒の睫毛までバッチリ見える。」
怒鳴られた一夏は特に気にすることなく、ハイパーセンサーの精度の高さに感心を示していた。俺はその暢気さに感服するよ・・・。本当に良くも悪くもいい性格してるよな、お前って。
「これでも機能制限がかかっているんでしてよ?元々ISは宇宙空間での稼働を想定したもの。何万キロと離れた星の光で自分の位置を把握するためですから、この程度の距離は見えて当たり前ですわ。」
「へぇー、そうなのか。」
へぇー、じゃないだろ。それ、この前の授業で習ったろうに。次の補習のメニュー、追加決定だな。・・・お、箒の奴、千冬さんの出席簿の餌食になってる。ご愁傷様、完全に自業自得だけど。
『神裂、織斑、オルコット。急降下と完全停止をやってみせろ。目標は地表から10センチ、神裂は5センチ以下だ。』
愉快な光景を眺めていると、千冬さんが箒から分捕ったインカムを通して指示を出してきた。おい、教師。実力の差があるからってあからさまに生徒を差別するんじゃない。そしてインカムを早く隣で涙目になってる相方に返してあげなさい・・・。
「では、お先に。」
セシリアが一言言った後に先陣を切って地上に降りていく。ふむ、なかなか上手いものだ。代表候補生は伊達ではないな。完全停止も問題ないようだ。
「一夏、頑張れよ。」
俺はそう言い残してセシリアに続く。猛スピードで近づく地面との距離を正確に見極め、タイミングを見計らって足を下へ。地表ギリギリで急ブレーキをかける。スラスターの風圧で地面の砂がフワリと舞う。
(地表との距離は・・・、約3センチだな。上出来だ。後は一夏だけだが・・・。)
見上げると、早くも一夏が地上に向けてグングン加速している。・・・おい一夏、元気なのは実に結構なんだが、距離の割に速度が全然落ちていないように見えるんだが・・・?
ドオォォォン!!
凄まじい轟音と共に目の前が大量の砂煙に覆われる。あー・・・、とりあえず一夏は着地したな。え、失敗してるって?いやいや、着地自体は成功したよ?無事じゃないだけで。着地の方法が世間一般では「墜落」って言われてるだけで。
「馬鹿者。誰がグラウンドに穴を開けろと言った。」
派手に激突したが、《白式》のおかげで一夏には怪我一つない。それにしても、これはまた立派なクレーターだこと・・・。
「しっかり元に戻せよ。勿論、一人でな。」
千冬さんの手厳しい通告にガックリと肩を落とす一夏。この規模の大穴を埋めるとか、考えただけでも面倒だ。強く生きろよ、一夏・・・。
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