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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第12話 「実習」
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おいたんだけど。まあ一夏は当事者だし教えておく必要もあるだろう。

「誰もノルマが1つだなんて言ってないだろ。もう1つあったんだよ。」
「もう1つ?何だよ?」

あれ?俺結構あからさまに変な戦い方してたよな?考えれば分かりそうなもんだが・・・。

「『戦闘中、戦闘開始地点より一定距離以上の移動を禁止する』、これがあの時のもう1つのノルマだ。」
「それは・・・。可能なんですの?」

俺の言葉の意味を理解しきれていない一夏は首を傾げたまま黙っていたが、セシリアには事の重大さが伝わったようで思わず驚嘆の声をあげた。

「まあセシリア相手なら無理だろうが、一夏の場合は近接武装しかないから問題ないのさ。ただ、回避行動に制限がかかったのには苦労したがな。」

思い出してみるとなかなか無茶苦茶なことをやっていた気がする。俺は防御より回避の方が得意なのを知っててあの鬼教師は・・・。つくづく恐ろしい。

「自分から攻撃にいけないってのはキツいな・・・。俺と《白式》じゃ絶対無理だ。」
「それは当たり前だ・・・。」

当然のことを然も感心したように言うんじゃない、一夏。『雪片弐型』しか武装のない近接特化の《白式》にそんな芸当できてたまるか。

「じゃあ最後に突っ込んできたのが敗因ってことか。何でそんなことしたんだよ?」
「言ったろ、クラス代表になんて興味ないって。わざと負けてクラス代表になりにくい状況を作りたかったんだよ。」

あの場面で俺が勝利した場合、俺のクラス代表就任は否応なく決定していた。千冬さんが担任である以上、拒否権なんて存在しないからだ。だが俺が負ければ事情が変わる。

「お人好しの一夏は敗北を理由にセシリアに代表の座を譲るだろうし、セシリアが俺を推す場合は、俺は一夏との試合に負けたことを盾に一夏に押しつけられる。結局クラス代表を回避できる可能性が高まるって訳だ。」
「意外と深慮を伴ってますのね・・・。」

これはただの建前。本音は、あの試合はとにかく一夏の慢心を消し去ることが最優先事項だったから。しかしクラス代表になりたくなかったのもまた事実。だからあんな回りくどい真似をしたのだ。結構大変だったんだぞ?お前に完全勝利したように見せかけるの。戦い慣れた手練れが見れば、俺の不自然な回避や攻撃から見破られてもおかしくなかったし。まあその創意工夫よりも千冬さんの説教の方が遥かにキツかったけど。

『一夏っ!いつまでそんなところにいる!早く降りてこい!』

オープンチャネルから突然箒の怒鳴り声が流れてきた。何事かとハイパーセンサーを駆使して地上を見下ろすと、箒が山田先生のインカムを奪い取っていた。あいつって一夏のことになると途端に分別がなくなるな。山田先生もオロオロしてるだけだし。もうちょっと生徒相手に強気に
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