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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第12話 「実習」
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千冬さんの言う通り、目に見えて遅い。《白式》は機動力にかけては現行ISの中でもトップクラスのはず。《武神》はまだしも《ブルー・ティアーズ》より遅いとは・・・。一夏め、開発者泣かせだな。

「そ、そんなこと言われても・・・。自分の前方に角錐を展開するイメージだっけ?うーん、よく分かんねえ・・・。」
「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分に合った方法を模索する方が建設的でしてよ?」
「セシリアの言う通りだ。ISは操縦者のイメージで動くんだから、教科書を忠実に守っても無駄になるだけだぞ。」

空中で唸りながら考える一夏を見兼ねて俺とセシリアが近寄ってアドバイスをする。っていうか一夏、操縦中に考え事するの止めとけ。慣れない飛行中にそんなことしたら、最悪墜落するぞ。集中、集中。

「そう言われてもなぁ。大体、空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだよ。何で浮いてるんだ、これ?」

なおも首を傾げる一夏。まあ、飛行機とは明らかに違うからな。俺もまだ教えてないし、納得できないのも無理はない。まあ、理解しなくても飛べるんだけどさ。

「反重力力翼と流動波干渉のお話になりますが・・・。」
「分かった。説明しなくていい。」

セシリアの言葉を即座に遮る一夏。小難しい単語を並べた途端に露骨に嫌がりやがって・・・。そういう向学心のない学生にはとびっきりの補習を用意してやろう。

「よし、一夏。今日の放課後補習はそのテーマでいこう。」
「え、マジ?」
「おう、マジ。」

がっくりと肩を落とす一夏。理屈さえ分かればイメージも掴みやすいかもしれないし、悪くない話だと思うんだが。まあ面倒なのは保証してやるよ。

「そういえば零さん、昨日のあの言葉、どういう意味ですの?」

一夏がハイパーセンサーの使い方をチャックする傍ら、セシリアが俺に問う。はて、俺何か変なこと言ったっけか・・・?

「何の話だ?」
「昨日、零さんは一夏さんに負けたって仰っておりましたが、わたくしにはその言葉の意味が分かりかねまして・・・。」

ああ、そういえば言ったな、そんなこと。今思えば一夏にすら説明してないんだから、事情を何一つ知らないセシリアには意味不明だったか。

「言葉通り、負けたんだよ。」

俺はノルマの件についてセシリアに手短に説明した。自分との戦いでもノルマが課せられていたことに多少不満そうだったが、特に気にしないことにする。俺にじわじわ嬲り殺されるより余程マシだったと思うのだが。プライドが高いってのも考えものだな。

「でも零、俺との試合のノルマは達成したんだろ?確か、武器とパッケージ使っちゃいけないってやつ。」

あ、一夏聞いてたのね。新しいオモチャを与えられた子供みたいにキラキラした目でハイパーセンサー使ってたから放って
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